やり直し

安永徹がコンマス時代のカラヤン=ベルリン・フィルの日本公演で、カラヤンが「海」と思って振り下ろしたところ、オケは「ドン・ファン」を始めたので、安永が「中止」の合図を出して演奏はストップ、やり直したことがあったという。また、数年前のマズア=N響の第九(第三楽章だったか)で、演奏を開始した後、何らかの事情でやり直したということも記憶に新しい。
さて、先日の「幻想」の冒頭で、びっくりするような事故があった。指揮者も驚愕の表情を見せたが特に中断することもなく、そのまま演奏は続けられた。
「悲愴」冒頭のファゴット・ソロを失敗したからもう一度始めからやり直すということは絶対にあり得ないものの、曲の最初の出だしを間違った場合、やり直しをしても良いのではと一瞬は思ったのだが・・・。

考えてみれば、勝負事で「やり直し」があるのは、相撲の「待った」くらい(陸上のフライングはルールが改正されたようだ)。将棋や囲碁での「待った」も、プロではもちろん許されない。
音楽、バレエ、演劇等の実演においても、そもそも「本番」という以上、原則やり直しはきかないもの。一回限りの真剣勝負であるからこそ「本番」と言うのであって、やり直したら練習やリハーサルと変わらない。
もちろん、途中で弦が切れたり(切れても弾き通した人もいたが)、楽器が壊れたり等のアクシデントが起これば中断もやむを得ないとは思うが、単に技量不足、不注意などによるミスの場合は、やり直しは許されない。まあ、記憶が飛んだりして停まってしまった場合は仕方ないし、前述のような例外もあるのだろうが・・・。
そのような意味では、先日の指揮者の判断通り、始めてしまった演奏は何があっても最後までやり通すべきなのだろう。
とはいえ、人生においては、途中であってもやり直しはできると私は思っている。

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