ビゼー:「アルルの女」第一組曲

オケをやり始めた高校時代に演奏したきり、その後、この曲を演奏することはもちろん、演奏会で聴くこともほとんどなかった(「カルメン」は私も何度か演奏したことはある)。が、先日の演奏会の中プロがこの曲。私は降り番だったが、本来の奏者がお休みだった練習の時に2ndを吹かせていただいた。
この第1曲「前奏曲」、提示部が終わると17小節から木管五重奏(Fl/E.H./Cl/Fg2)になるが、ここでのファゴット・パートはテナー記号で書かれており、2番ファゴットは下加線2本のFまで出てくることで有名。通常、テナー記号の可読範囲はせいぜい第1線Dかその下のCくらいなので、下加線など付いたら瞬時にはとても読めなくなる。そのためこの箇所はヘ音記号に転記するのが通例だったが、最近のパート譜は下パート(なぜか1stが下になっている)はヘ音記号で書かれているようだ。なお、同じようにテナー記号の下寄りに書かれていて読むのに苦労するのが、ドヴォルザーク:交響曲第8番の冒頭で、この部分もヘ音記号に転記したことがある。

さて、第1曲「前奏曲」の有名なメロディの冒頭は、四分の四拍子、二拍休みのあと三拍目から開始される。バッハのガヴォットの冒頭なども同じような始まり方をしており、初めて楽譜を見た人は戸惑う人もいると思う。バッハの場合は休符はなく、いきなりニ個の四分音符から開始されるが、モーツァルトのアイネクライネも同様の始まりとなっている(アイネクライネは八分音符、八分休符のセットが2回)。
http://zauberfloete.at.webry.info/201602/article_7.html
このリズムは舞曲の影響と説明されることもあるようだが、この二つの音符は、四分の四拍子の指定であるとはいえ、(アレグロなので)大きな二拍子と考えた時のアウフタクトに相当するのではと個人的に思っている。
一拍目から音楽が始まると思っている人が少なくないのは、この冒頭二つの音符をアウフタクトとした二拍子的に演奏している例がほとんどないからではないかと思われる。

さらに、今回はアンコールとして第二組曲の第4曲「ファランドール」を演奏した。この曲の冒頭は、三拍目から始まるのは同じだが、二、三小節目のリズムが第一組曲第1曲「前奏曲」のそれとは微妙に異なっている。
二小節目の複付点四分音符(「ファランドール」)は「前奏曲」の後半、サックス・ソロの直前にも登場しており、十六分休符が入るか入らないかの違いだが、三小節目は「ファランドール」の方が一拍目が短く、二拍目のウラが先に入ることになる。
「前奏曲」:四分音符(タイ)八分音符、十六分休符、十六分音符
「ファランドール」:四分音符、八分休符、八分音符

なお、今回練習を見ていて初めて気づいたのだが、第一組曲第3曲「アダージェット」の編成はヴァイオリン2、ヴィオラ、チェロであり、コントラバスがないこと。CDなどを聴いていても、これまでまったく気づかなかった。そして、あらためてスコアを見直して気づいたのは、この曲の速度指定が「アダージョ」であること。

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