モーツァルトの「断章」

「モーツァルト 最後の四年~栄光への門出~」クリストフ・ヴォルフ著/礒山雅訳(春秋社/2015.12)の最終章には、書きかけの「断章」についての記述がある。
モーツァルトの断章は、単独楽章のものを中心に数多く発見されており、それぞれの手稿を合わせると140曲ほどになるという。
断章譜は、その省略のされ方により、以下の4つのカテゴリーに分けられるとのこと。
タイプ1:複数段のスコアのうち一段のみが記譜されているもの
タイプ2:複数段のスコアに枢要な諸声部が記譜されているもの
タイプ3:骨組み状のスコアに、複数の声部が散らばっているもの
タイプ4:枢要でない部分を除き、すべての声部が完全に記譜されているもの

そして、1789~1791年に書かれた三重奏、四重奏、五重奏の断章が採り上げられている。これらは多楽章曲の第一楽章となるべく準備されたものらしい。このうち、弦楽四重奏 KAnh84 はホ短調、弦楽五重奏 KAnh79 はイ短調というモーツァルトにしては珍しい調性で書かれている。
そして特筆すべきは、本書のために特設されたウェブサイトが用意されているということ。
http://www.people.fas.harvard.edu/~cwolff/
ここでは、各断章のモーツァルトの自筆譜に加え、その音源がアップロードされている。キアーラ弦楽四重奏団により、本プロジェクトのために録音されたとのこと。
おそらく他では聴くことのできない貴重な音源と思う。完成されなかったことが残念でならない。

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