ハイドン:交響曲第31番ニ長調

「ホルン信号」の副題を持つこの曲は、1765年の作であることが自筆楽譜によって判明している。
ハイドンのエステルハージ家副楽長時代(1761年から1765年にかけて)のオーケストラについて、ハイドン研究所のゲルラッハが行った詳細な資料研究によれば、正規の団員のほかに、聖歌隊にも属していた執事と歌手の二人のヴァイオリニストを加えた14人が5年間を通じてのメンバーだったという。その内訳としては、それぞれ2人あるいは3人の二声のヴァイオリン、1人あるいは2人のヴィオラ、1人ずつのチェロとコントラバス、およびフルート1、オーボエ2、ファゴット1、ホルン2の管楽器だったとされている。
そして、1763年8月から12月までの間と、1765年5月から1766年2月までの期間、さらに2人のホルン奏者が加わっていた。4本のホルンをその編成に持つ*この第31番と、あと3曲の交響曲(第13番ニ長調、第39番ト短調、第72番ニ長調)、およびディヴェルティメント ニ長調はすべてこの期間に作曲されている。
この曲は、協奏交響曲風の緩徐楽章とともに、第四楽章ではヴィオラとファゴット以外のすべての楽器が独奏者として登場する変奏曲を置いており、1788年に出版されたシベール版の楽譜には「シンフォニア・コンチェルタンテ」という表示とともに、「ニュールンベルクの郵便ホルン」という副題が記入されていたとのことである。

さてこの曲、4本のホルンの華々しい活躍は別として、特筆すべきは第二、四楽章に登場するソロ・チェロ。かなりの高音域が多用されており(最高音はト音記号第4間のE)、ランドン校訂版のスコアには、手稿譜ではテナー記号ではなく、ソプラノ記号**で書かれているとのコメントがある。単に加線を減らすためのソプラノ記号だとは思うが、IMSLPで公開されているハイドン:チェロ協奏曲第2番の手稿譜を見ると、独奏チェロパートの高音域にはト音記号が使用されている。なぜ、この曲ではソプラノ記号が使われたのだろうか?

*ホルン4本の編成を持つモーツァルト:ディヴェルティメントK131、交響曲第18、19番は1772年、第25番は1773年にそれぞれ作曲されている。
**ハ音記号のひとつで、五線の第1線上に中央ハ音をおく記号。

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