ハイドン:交響曲第95・98番/デジタル・コンサートホール

ベルリン・フィル デジタル・コンサートホールで観た最近のハイドンの交響曲の演奏のうち、印象的だったものを二つ採り上げてみたい。
●ハイドン:交響曲第95番ハ短調/ラトル(2012/09/23)
ハイドン最後の短調の交響曲、とはいえ、第一楽章冒頭こそハ短調だが途中からハ長調に変わり、終楽章もハ長調の音楽で一貫する。が、特筆すべきは第三楽章。重苦しいハ短調のメヌエットと全編チェロ・ソロで歌われるトリオ。
http://zauberfloete.at.webry.info/200802/article_15.html
ラトルの演奏はいつもながら緊張感に富み、生き生きとした音楽が展開される。そして技術的に難しいところになればなるほどオケ全体を煽っていく。
今回の演奏で最も印象的で素晴らしかったのは第三楽章。メヌエットにおけるティンパニ(ヴェルツェル)の硬い響き、そしてトリオでのチェロ・ソロは、ひじょうに雄弁な表現、自然で素晴らしい装飾を付けた圧倒的に見事な演奏だった。ソロを弾いたのはマルティン・レーラ。
http://www.berliner-philharmoniker.de/en/orchestra/musician/martin-loehr/
この人は第1ソロ奏者(クヴァント、デレペレール)ではなく、マニンガーと並ぶ「ソロ・チェリスト」。この人がトップに座るのは初めて見たが、ラトル指揮のコンサートでこのような大きなソロを弾くのだから相当な信頼関係があるということなのだろう。
他のメンバーは、コンマス:シュタブラヴァ、2nd:シュタデルマン、ヴィオラ:ズーチス、コントラバス:マクドナルド、Fl:ブラウ、Ob・マイヤー、Fg:シュヴァイゲルト、Hr:トラ。なお、マイヤーは特に素晴らしい演奏だった。

●ハイドン:交響曲第98番変ロ長調/コープマン(2010/01/30)
当日の曲目はバッハ:管弦楽組曲第3番、「マニフィカト」などで、コープマンがベルリン・フィルを振ること自体、ひじょうに珍しい。ハイドンを指揮する時、コープマンの前には指揮者用譜面台の代わりにオルガンが。ステージ上の上手奥にはチェンバロが置いてあり、誰も座っていない。最大の関心事は、終楽章の最後にあるチェンバロ・ソロを誰がどのように弾くかということだったのが、最初に答えを書いてしまうと、それまで指揮していたコープマンが突然、オルガンであのフレーズを弾き始めたのだった。
さて、コープマンの指揮はかなり大雑把で結構暴れ回るものだったが、驚いたことにベルリン・フィルは限りなくノン・ヴィブラート/ピリオド奏法に近い演奏法で弾いており、軽快で躍動感のある音楽を作り出していた。
メンバーはコンマス:樫本(ソロはひじょうに見事な演奏だった)、2nd:ティム、Vla:レーザ、Vc:マニンガー、木管はブラウ、マイヤー、ダミアーノ、ホルン:イェツィルスキーほか。
(以下余談)
○なお、この時の木管後列、ファゴットの向かって左隣にホルンが座ったのだが、通常であれば向かって左からHr2,Hr1,Fg1,Fg2となるのだが、ファゴットの1,2番が入れ替わって(Hr2,Hr1,Fg2,Fg1)ダミアーノが一番右に座っていた。
○2ndオーボエを吹いていたハルトマンの楽器。見た目がちょっと変わっており、調べてみるとデュパンというスイスのメーカーのものらしい。
http://www.dupin-oboe.com/
楽器の形状も変わっているが、HPのデザインもなかなかユニークである。

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