「魔笛」/マッケラス=スコットランド室内管弦楽団

マッケラスの「魔笛」を聴いた。私が持っている「魔笛」の中でもおそらく一番新しい録音のセット。元々Telarcの録音だが、BRILLIANT CLASSICSのモーツァルト・エディションとして格安(中に挟まっていたレシートによれば2002年に2枚組1280円だった)で売られていたもの。おそらく購入してから1~2回しか聴いていないと思うが、マッケラスであれば何か新しい発見があるかと思い久しぶりに聴いてみた。声楽ソリストなどは下記の通り。
○パミーナ:バーバラ・ヘンドリックス
○タミーノ:ジェリー・ハドリー
○パパゲーナ:ウルリケ・シュタインスキ
○パパゲーノ:トーマス・アレン
○ザラストロ:ロバート・ロイド
○夜の女王:ジューン・アンダーソン
○弁者:ゴッドフリート・ホーニク
○モノスタトス:ヘルムート・ヴィルトハーバー ほか
○管弦楽/合唱:スコットランド室内管弦楽団&合唱団
○指揮:サー・チャールズ・マッケラス
○録音:1991年7月13~22日(デジタル)
○プロデューサ:ジェームス・マリンソン
○エンジニア:ジャック・レナー
○エグゼクティブ・プロデューサ:ロバート・ウッズ

オケは小編成で現代楽器(ティンパニは小型、トランペットは古楽器?)だが、ピリオド奏法に近い感じで速めのテンポで歯切れ良く、軽快な演奏を聴かせる。声楽ソリストもヘンドリックスはじめ、夜の女王も優れた歌唱を聴かせ、パパゲーノがやや私のイメージとは異なっていたが全般的には水準以上。録音が良いのは言うまでもない。
最も印象的だったのが第17番パミーナのアリア(愛の喜びは露と消え)のテンポ。この曲、その歌詞の内容のせいかかなりゆっくりとしたテンポで歌われるのが普通なのだが、スコアを見ると指定はアンダンテ。アンダンテといえば、2曲のパパゲーノのアリア(第2・20番)、第11番のデュオなどの速度記号である。
アーノンクールはアンダンテについて、「18世紀において一般的だったように、モーツァルトの場合にもアンダンテはまだ速いテンポの表示の一つであった」と「音楽は対話である」(アカデミア・ミュージック/1992)の中で述べている。
マッケラスはその指定通り、速めのテンポでサラりと演奏している(所要時間は2分58秒!)。また、装飾音符、アポジャトゥーラなどについてもマッケラスならではと思わせる箇所があった(もう一度スコアで確認したい)。
あと、特筆すべきはタミーノとパパゲーノの二重唱"wo ist du"が収録されていること。この曲は1802年、アン・デア・ウィーン劇場における改訂上演の際に第二幕第11番デュオと第12番五重唱の間で、初めて歌われたという曲。この時は第7番「恋を感じるほどの男には」(パミーナ&パパゲーノ)の異版と、このタミーノとパパゲーノのデュオが加えられたという。このデュオはモーツァルトの死後少しして遺品の中から見つかったらしい。声楽、バスなどわずかなパートしか残されていなかったのでシカネーダーの劇場のカペルマイスターがそのオーケストレーションを完成したと想像されている(以上、マッケラス自身によるライナーノーツより抜粋)。

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