ツィンマーマンとハーンのモーツァルト協奏曲の新録音

モーツァルトのヴァイオリン協奏曲は、ホルン協奏曲、グランパルティータなどと並んで、最も多くのディスクを持っている(何枚あるかわからないが)。
http://zauberfloete.at.webry.info/201112/article_27.html
比較的聴く頻度が高いのはムター、グリュミオーなどだが、さすがに最近は新しい録音は買っていなかった(新譜が少ないせいもあるが)。
が、今回はどうしても聴いておきたい新譜が2種類(ツィンマーマンとハーンの演奏)リリースされたので迷わず購入した。
ツィンマーマンのモーツァルトの協奏曲の最初の録音は1980年代半ばだったので約30年ぶり。とはいえ、第3番は、下記の2点の録音がある。
○サヴァリッシュ=ベルリン・フィル(EMI/1995)/ブラームスの協奏曲との組合せ
○ハイティンク=ベルリン・フィル(EUROARTS/2011)/ベルリン・フィル・ヨーロッパコンサートの映像
ハーンは以前、ローマ法王のバースディ・コンサート(2007)で第3番を弾いていたが、第5番は今回が初めてとなる。

●モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第1・3・4番(haenssler)/ヘンスラー・クラシックとBR KLASSIKとの共同制作
○ヴァイオリン協奏曲第1番 変ロ長調K207/カデンツァ:コンスタンチン・モストラス
○ヴァイオリンと管弦楽のためのアダージョ ホ長調 K261/カデンツァ:フランツ・バイヤー
○ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド ハ長調 K373
○ヴァイオリン協奏曲第3番 ト長調 K216/カデンツァ:フランツ・バイヤー
○ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ長調 K218/カデンツァ:ヨーゼフ・ヨアヒム

○ヴァイオリン:フランク・ペーター・ツィンマーマン
○管弦楽:バイエルン放送室内管弦楽団
○アーティスティック・ディレクター:RADOSLAW SZULC
○録音:2014年3月6~8日/ミュンヘン ヘラクレスザール。
スルク(と読むのか)は、バイエルン放送響に4人いる第1コンサートマスターの一人。
http://www.br.de/radio/br-klassik/symphonieorchester/orchester/besetzung-violine-x-radoslaw-szulc100.html
バティアシュヴィリとのバッハ(DG/2013・2014)でも名前がクレジットされていた。バイエルン放送響メンバーによる室内オケなので演奏は素晴らしく、申し分ない。
ここでのツィンマーマンの演奏は、円熟というか見事なもの。艶やかで美しい音色、よく歌い表情豊かな音楽を聴かせる。ただし、オケも含め時にアーノンクールのようなテヌートや意表を突くダイナミクスなどが現れる。特に、第一楽章再現部直前のレチタティーヴォでは面白い演奏をしている。
なお、使用楽器はクライスラーが使用していた1711年製のストラディヴァリウスと書かれているが、先月末、ドイツの新聞にこの楽器の持ち主への返還話が載っていたと、あるブログで読んだばかり。どうなるのだろうか。

●モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第5番 イ長調 K219「トルコ風」
/ヴュータン:ヴァイオリン協奏曲第4番 ニ短調 作品31(DG)/Co-Producerとしてハーンの名前がクレジットされている
○ヴァイオリン:ヒラリー・ハーン
○管弦楽:ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン
○指揮:パーヴォ・ヤルヴィ
○録音:2012年12月 ブレーメン(モーツァルト)/2013年8月 シュトゥーア(ヴュータン)
ハーンのヴァイオリンは音色も美しく、とびきりしなやかで伸びやか。テクニックはもちろん完璧で安定感は抜群。第三楽章78小節あたりからも見事な音程で弾いている。全般的に、ツィンマーマン盤が男性的と言えば、やはり女性的な演奏と言えるのではないかと思う。
ヤルヴィの指揮はオーソドックスでオケも上手いが地味といえば地味。録音も水準以上だが、ツィンマーマン盤と比べると高域の伸びが今一つという感じもする。

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