ニコライ:「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲

オットー・ニコライ(1810~1849)は、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の創設(1842年)者、初代指揮者として知られているが、作曲家として5つのオペラ、管弦楽曲、合唱曲などを残している。その代表作であるオペラ「ウィンザーの陽気な女房たち」は1849年2月22日に完成、翌3月9日にベルリンにおいてニコライ自身の指揮で初演され大成功をおさめたという。しかし、その2ヶ月後にニコライは30代の若さで急逝している。
手元にあるいくつかのCDを聴いてみた。
●クレー=シュターツカペレ・ベルリン(DG/1977) 8:32
テンポは速めで、新しいフレーズに入る時などもあまりタメたりしないスッキリ系。金管のバランスも控えめ。録音は美しい。
●フォンク=シュターツカペレ・ドレスデン(Deutsche Schallplatten/1986) 8:45
控えめでテンポも中庸でクレーの演奏に似ているが、この演奏の方が多少のルバートもありテンポを揺らしている。
●ティーレマン=ウィーン・フィル(DG/2002) 8:49
ルバート、アッチェレランド、パウゼなど、テンポの緩急が劇的ながら音楽が自然に流れるのは見事。トランペットのアクセントの付け方始め金管のバランスも上手く整っている。
それにしてもこのなめらかなオケの音は往年のDGの音に慣れている私にとっては別世界のように聴こえる。
○カラヤン=ベルリン・フィル(EMI/1960)
レコード時代、ずいぶん探して結局ホノルルのタワーレコードで買ったのだがCDでは持っていない。一時国内盤で発売されたこともあったようだが現在ではEMIのカラヤンBOXでしか手に入らない。
参考)フルトヴェングラー=ウィーン・フィル(1954)
意外に「普通の」演奏である。
https://www.youtube.com/watch?v=EsdmWHxvgsY
●ウィーン・リング・アンサンブル(PLATZ/1993) 8:19
Fl,Cl2,Hr,Vn2,Vla,Vc,Cbという9名の演奏。ミヒャエル・ロートという人による原曲に忠実な編曲で管弦楽版に匹敵する充実した響きとなっている。キュッヒル以下のメンバーも皆さすがに巧く(オーケストラ以上に精度の高い演奏が求められる)ひじょうに素晴らしい。

以下番外の映像編
●クライバー=ウィーン・フィル(PHILIPS/1992) 8:46
1992年ニューイヤーコンサートの映像。この年はウィーン・フィル創立150年にあたるためこの曲が演奏されたという。この曲や同じ日に演奏された「ジプシー男爵」序曲などの映像をあらためてじっくり観ると、やはりクライバーという人は天才だったと言わざるを得ない。
音楽/曲想を十全に体現した しなやかで優雅な身体の動きは、見ているだけで惚れ惚れするし、それにぴったりと付け心躍る音楽を紡ぎ出すウィーン・フィルの演奏もこれ以上は望めないというほど素晴らしい。
著作権はどうなっているのか知らないがこの演奏がyoutubeにアップされている。百聞は一見に如かず。
https://www.youtube.com/watch?v=SnFZsz3Ioj8
なお、余談だがyoutubeには他にも1992年のニューイヤーコンサートのリハーサル映像(非公式)がいくつかアップされている。

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