強弱記号

ブラームス:交響曲第3番第一楽章36小節、四分の九拍子のクラとファゴットによる第二主題、ここには p:ピアノ、グラツィオーソ(優雅に)という指定に加え、mezza voce(メッツァ・ヴォーチェ)と書かれている。本来、「声量を落としやわらげた声で歌う」という声楽用語だが、器楽においても「柔らかに/柔らかく」という意味とされる。
一方、再現部での同じ箇所149小節にはやはり、p:ピアノ、グラツィオーソ(優雅に)に加え、今度はsotto voce(ソット・ヴォーチェ)と書かれている。こちらは「ひそやかな声で/小声でささやくように」、「ひそやかに」という意味とされる。
いずれにしても、強弱記号として二回とも最初は p 、その2小節あとは pp が指定されているので、ここでの mezza voce と sotto voce は(一般的には強弱記号に分類されているが)発想記号と考えるべきなのだろう。
とはいえ、「柔らかく」と「ひそやかに」を吹き分けるのはなかなか難しそうではある。

そして同じく、ブラームス3番、第二楽章64小節三拍目(ホルンは四拍目)に書かれている pf は「ポコ・フォルテ」の略で、チェロ・パートだけは poco f と書かれている。
さて、「ポコ」とは「少し/やや」という意味だが、ここで注目すべきはその直前の63小節一拍目には mf があり、その小節後半から次の小節前半にかけてクレッシェンドが付けられていること。
これまでの私の理解では、poco f は、「少し」 f なので、mf くらいのダイナミクスと思っていたのだが、ブラームスは、mf < poco f < f と考えていたということなのだろう。

また、「これまでと比べて~」という意味の記号としては、ピウ/più/より多く、と、メノ/meno/より少なく、というものがある。
più f →「今までより強く」、più p →「今までより弱く」、は比較的使われるが、
meno f →「今までより弱く」、meno p →「今までより強く」 、はあまり使われることはない。
ちなみに、イタリア語で、
4たす3 は 4 più 3
3ひく1 は  3 meno 1
と言うらしい。

上記の内容の一部は以前も触れているが、今回やや認識を新たにした点があったので補足、追加した。
http://zauberfloete.at.webry.info/201109/article_6.html

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    Excerpt: 「必ず役立つ 吹奏楽ハンドブック~楽典編~」(ヤマハミュージックメディア/2012.10)という本を読んでいたら、下記のような記述があった。 Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2019-04-23 22:22