モーツァルト:ピアノ協奏曲第18番変ロ長調K456

モーツァルトの「全自作品目録」に1784年9月30日の作品として記入されているこの曲は、翌1785年2月13日にウィーンで行われた四旬節コンサートで演奏されたと考えられている。しっとりと落ち着いた中に静かな喜びが満ちている第一楽章、生き生きとした躍動感みなぎる終楽章、そしてそれらに挟まれた第二楽章アンダンテは、ト短調の変奏曲形式で書かれており、淡い憂愁の中に特に心に訴えかけるものを持っている。

超名曲揃いのモーツァルトのピアノ協奏曲の中でも私にとってどうしても外すことのできない一曲。もちろん、名曲という意味では第23、21、24、27、20、22番(順不同)などにその順位を譲るかもしれないが、愛らしさ、いとおしさ、という意味ではこの第18番、第15、19番などは不朽の名曲と思う。
http://zauberfloete.at.webry.info/201206/article_16.html
以前、第19番の聴き比べを行ったが、
http://zauberfloete.at.webry.info/200803/article_24.html
今回内田光子の新譜がリリースされたのを機にあらためて下記の録音を聴き直してみた。
○ペライア/イギリス室内O(SONY/1981)
○シフ/ヴェーグ=カメラータ・アカデミカ・ザルツブルク(DECCA/1984)
○内田光子/テイト=イギリス室内O(PHILIPS/1988)
○内田光子/クリーヴランドO(DECCA/2014)
http://zauberfloete.at.webry.info/201408/article_9.html
他にも、クリーン、アシュケナージ、ゼルキン、バレンボイム、ツァハリアス、アルゲリッチ、ダルベルトなどがあるはずだが聴き直してはいない。
あらためて聴いてみると上記4つの録音はそれぞれ名演だと思う。録音年代に30年以上の隔たりはあるが、古い(といっても1981年)ものでもまったく遜色は感じられない。
オーケストラに対して最も配慮/コントロールが行き届いていたのがヴェーグ盤。細かく表情を付け過ぎると思われるところもあったが、管楽器の音色を含めこの盤が最も好ましいオケに思えた。内田の新盤も思い入れは良く伝わってくるが、やや慎重さも見受けられる。逆にほとんどオケが自然(特に何もしていない)に弾いているのがペライア盤。
ソリストはどれも優秀でペライアの音色は特に美しい。そして、ペライアの終楽章冒頭の歌い方は他の演奏とはやや異なっており(小節後半に重きを置く)、これはこれで印象深い。内田の旧盤は自由で伸びやか、新盤はある意味禁欲的だが表現は深い。
総合的に、広く薦められるのは内田の旧盤かペライア盤、オケにもこだわる人にはシフ盤、既に他の演奏を持っている人には内田新盤ということになろうか。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック