最近読んだ本 2014/07

●「楽譜でわかるクラシック音楽の歴史~古典派・ロマン派・20世紀の音楽~」広瀬大介著(音楽之友社/2014.7)
西洋音楽史を、個別の曲の解説および譜例を用いながらわかりやすく概観するという内容。筆者は大学の授業からこの形態/形式の本についてのアイデアを得たとのこと。また、掲載楽曲の音源を聴くことのできるサイト(ナクソス・ジャパンの協力)も開設されているらしい。なお、この本の特徴としては単なる(メロディラインの)譜例ではなく、オーケストラ曲の場合はスコア、あるいはピアノ譜が付けられている点と思う(個人的にはそれほど効果的とは感じなかったが)。確かに、音楽というものはいかに文字/文章で解説しても楽譜や実際の音を聴かなければわからない。その意味では一つのアプローチではあるのだろう。

●「オルセー はやまわり」有地京子著(中央公論新社/2014.6)
まわり方の基本ルートは、0階(地上階)の左側を見て、5階へ上がり、そして2階の右側、0階の右側を見よう、とのこと。私はいきなり5階に行ってしまったが・・・。
http://zauberfloete.at.webry.info/201304/article_15.html
また、「さっと深読み名画40~印象派の起源からポスト印象派まで~」というサブタイトル通り、オルセーが所蔵する名画についてかなり詳しい解説がついている。著者はパリで画商をやっている人で、時おりみられるユニークな視点が興味深かった。残念なのは図版がモノクロであることと、タイトルだけで図版が載っていない作品が少なからずあったこと。

●「モーツァルト」礒山雅著(ちくま学芸文庫/2014.6)
「モーツァルト=二つの顔」(講談社選書メチエ/2000)の文庫化ということであるが、大幅な改訂および新しい章の追加などかなり充実した内容になっている。自作の作品目録、オペラにおける人間描写などの分析はひじょうに興味深いものがあった。全般的に作品にウェイトを置いた内容で読みやすい。

●「ぶらぶら美術・博物館 プレミアムアートブック2014-2015」(ENTERBRAIN MOOK/2014.6)
BS日テレで放送されている「ぶらぶら美術・博物館」をベースに、これから開催される美術展/展覧・博覧会の内容、みどころ、関連情報などが山田五郎の解説なども含めまとめられている。全国の美術館の詳細なアートスケジュールも付いており参考になる。

●「すごいジャズには理由(ワケ)がある~音楽学者とジャズピアニストの対話~」岡田暁生、フィリップ・ストレジ著(アルテスパブリッシング/2014.5)
以前、ビートルズの曲を音楽/和声法を中心に分析した本があったが、本書はそれ以上に専門的で深い分析がなされている。フィリップ・ストレンジという人はジャズ・ピアニストだがクラシック・ピアノも学んだ人。岡田暁生は音楽学者だがジャズ・ピアノも勉強しているらしい。本書ではマイルズ・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、ビル・エヴァンスほか著名な人たちの「すごさ」について、その音楽づくり/和声/旋法/変奏法/リズムなど具体的な例を挙げて説明される。採りあげられた曲の中で数少ない私が知っている曲(Kind of Blue,Waltz for Debbyなど)の分析を読んでもなかなか難しい内容ではあった。これらのジャズをしっかり聴き込んでいる人で、かつ深い音楽的知識を持っている人にとってはひじょうに面白く読める本だと思う。

●「世界10大美術館~早わかり西洋絵画のすべて~」望月麻美子、三浦たまみ著(ビジュアルだいわ文庫/2014.5)
ルーヴル、メトロポリタン、エルミタージュ、オルセー、ロンドン・ナショナル・ギャラリー、プラド、ウフィツィ、ワシントン・ナショナル・ギャラリー、ヴァチカン、ウィーン各美術館の紹介とそれぞれが所蔵する名画についての簡単な解説。写真も多く見るだけでも楽しめる。やはりこの中(まだ行ったことがないところ)ではメトロポリタン美術館には魅力を感じる。とはいえそのためだけにニューヨークに行くということも考えにくいが・・・。

●「シモネッタのどこまでいっても男と女」田丸公美子著(講談社/2014.4)
最近読んだ本の中では最も感銘深い本だった。今回の内容はこれまでの異文化/言語などをテーマにした(爆笑)エッセイではなく、田丸女史の家族、友人、恋人(?)たちの実話を通じて人生について深く考えさせられるもの。一人でも多くの人たちに読んで欲しい絶対のお薦め本。

●「銀座ママの心得」林真理子著(文春文庫/2014.3)
週刊文春に2011年1月13日号~2012年1月5・12日号に連載したエッセイの文庫化。大震災前後の時期なので、募金や被災地訪問の話などが少なくないが、あらためて彼女なりの気配り、視点などに感心する。

●「私にふさわしいホテル」柚月麻子著(扶桑社/2012.10)
この本のことも、作者についても私はまったく知らなかったのだが、「宮崎美子のすずらん本屋堂」(BS11)
http://www.bs11.jp/entertainment/1681/
でゲスト出演しており、話を聞いていて面白そうだったので読んでみた。
久しぶりにインパクトのある、読み始めたら止まらない作品だった。この人の他の作品も読んでみたい。

●「西洋音楽論~クラシックの狂気を聴け~」森本恭正著(光文社新書/2011.12)
http://zauberfloete.at.webry.info/201407/article_6.html

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