バセットホルンとアルトクラリネット

バセットホルンとアルトクラリネットの違いについてあらためて調べてみた。バセットホルンについては以前にも書いた通り、歴史的にクラリネットと同時代から存在していた楽器であり、アルトクラリネットはもっとずっと新しい。また、バセットホルンはF管、アルトクラリネットはEs管である、というくらいしか私も知らなかった。
http://zauberfloete.at.webry.info/200611/article_17.html
まず、佐伯茂樹著「楽器から見る 吹奏楽の世界」(河出書房新社/2009)を見てみる。

歴史上先に出現したのはバセットホルンの方であった。バセットと言うのは低音の意味で、クラリネットより低い音域が出せる楽器として開発されたのだが、ホルン、つまり狩りの角笛という概念がそこに盛り込まれたのである。そのため、調性はホルンを象徴するF管になり、初期のバセットホルンは、金管楽器のようなベルを持っていてボディも角のカーブを模して曲げられていた。
一方、アルトクラリネットの方は、19世紀に入ってから軍楽隊のアルト音域を担当するクラリネットとして開発された。そのため、バセットホルンが普通のクラリネットと同じ内径を持つのに対して、アルトクラリネットは太い内径と大きいマウスピースを持ち、調性も軍楽隊に適したEs管になった。
残念ながらバセットホルンの方は19世紀後半に一時廃れてしまったのだが、20世紀に入り再び復元された。このときにアルトクラリネットと同じ外観で作られたので、前述したように両者の違いが不明瞭になってしまったのだ。


ということで、両者は調性(F管/Es管)と内径(細い/太い)が異なり、バセットホルンは最低音がド(実音F)、アルトクラリネットは最低音がミ♭(実音Ges)という違いがあるようだ。

一方、wikipediaには以下のような記述がある。
現在販売されているバセットホルン
各メーカーからバセットホルンという名称の楽器が販売されているが、その多くはF管のアルトクラリネット(アルトクラリネット用のマウスピースで演奏する)である。日本の楽器メーカーでは製造していない。
○セルマー社:モデル20 - ソプラノクラリネットのマウスピースで演奏する。細管。
○ビュッフェ・クランポン社:プレステージ - アルトクラリネットのマウスピースで演奏する。太管。
○ルブラン社:315S - アルトクラリネットのマウスピースで演奏する。太管。
その他、ドイツ・オーストリア系の工房(ヴーリツァー、セゲルケ等)で、ドイツ(エーラー)・システム、ウィーン・アカデミー・システムの楽器が製造・販売されている。


念のため、各社のHPを参照してみた。
http://www.selmer.fr/instruments.php
セルマー社のバセットホルン、キーはF管、ボアは15.8㎜、クラリネットのマウスピースを付けるらしい。
一方、アルトクラリネット、キーはEs管、ボアは17㎜、下はミ♭まで、(アルトクラリネット用マウスピース)。

次に、クランポン社のバセットホルン。
http://www.buffet-crampon.com/en/instruments/bc1723?f=48&l=10%2C11%2C12
上記では特に説明されていないが、下記には次のように書かれている。
http://www.nagae-g.co.jp/fs/inst/cxt/cbh_bc_pre
ビュッフェ・クランポンのバセット・ホルンは近代オーケストラのニーズに配慮し、 アルトクラリネット用のマウスピースで演奏するタイプの設計になっています。
アルトクラリネットは下記の通り。
http://www.buffet-crampon.com/en/instruments/bc1503?f=48&l=10%2C11%2C12
ということで、wikipediaの記述は正しいということがわかった。
結論として、セルマー社の細管バセットホルンであれば、アルトクラリネットとは内径が異なるという説明に納得するのだが、クランポン社のバセットホルンになるとよくわからない。
アルトクラリネットのマウスピースを付けるということは、内径もアルトクラリネットと同じと考えられ、バセットホルンとは言っているが単なるF管のアルトクラリネットで、下のドまで出る楽器、ということになるのだろうか・・・。

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