最近読んだ本 2014/05

●「生きるヒント2」五木寛之著(学研/2014.4)
「今日を生きるための12のレッスン」などという副題がついているが、前回に続きいろいろなテーマについて五木氏の経験が語られる。感じる、任せる、夢見る、忘れる、励ます、認めるほか、生きていく上での貴重なアドバイス/示唆が得られるエッセイ。

●「西洋音楽鑑賞入門」アリーナ・ウー著(北樹出版/2014.4)
音、リズム、拍子、旋律、音程、音階、調性など、音楽の基礎について書かれているが、この書の特徴は作曲家の手法という項で具体例(特定の楽曲での例)があげられていること。気になったのは、リズムの章で下記のような記述があること。
このような言語のもつリズムは音楽の中に常にあるもので、歌詞をもつ音楽に限らず、すべての西洋音楽に息づいているリズムです。(中略)日本語を聞いている私たちは、この違いをはっきりと理解し、音楽に結び付けていくことが大切です。なぜなら最も聞いている音は母国語の言語だからです。言語を聞く耳で音楽を聴いていることを忘れてはなりません。
「違いをはっきりと理解し、音楽に結び付けていく」ためには何をどのようにすれば良いのかがはっきりと書かれていないが、聴く側はともかく、演奏する側は、日本語でしゃべったら(表現したら)西洋音楽にはならないということなのだろう。

●「モーツァルト家のキャリア教育」久保田慶一著(アルテスパブリッシング/2014.3)
「18世紀の教育パパ、天才音楽家を育てる」というサブタイトル通り、「若き日のレオポルト」の章に始まりそのしたたかな処世術、そして息子の就職、結婚などへ父親としてどうかかわっていったかが、手紙を中心に語られ、分析される。いずれにしても音楽家に関する本で、その音楽はまったく抜きにしても一冊の本ができるのはモーツァルトくらいしかいない、といつもながら思う。個人的には、終章での普段あまり触れられることはない姉ナンネルについての記述が興味深かった。

●「許す力~大人の流儀4~」伊集院静著(講談社/2014.3)
週刊現代連載中のエッセイの新書化。標題でもある、許すということについての筆者の言葉が印象深い。
私は許せないものを持つことが人間なのだろうと思う。さらに言えば、人が生きていけば必ず許せないことに出逢うのが、当たり前のことなのではないか。(中略)許せないものの大小はあろうが、誰もが許せないことに出逢い、それをかかえている。それが人間である。それが生きることであり、人生である。

●「決意とリボン」林真理子著(文藝春秋/2014.3)
週刊文春2013.1.17号~2014.1.2・9号に連載されたエッセイの単行本化。いつもながら彼女の視点と言うか主張には共感するものがある。今回の名言(?)は「お金は遣ってこそ魂を浄める」、これは金持ちの人に呼び掛けている言葉ではあるが、(私は)金持ちでなくても「お金は遣ってこそ価値がある」と最近では特に思うようになった。

●「クラシック レコードの百年史 記念碑的名盤100+迷盤20」ノーマン・レブレヒト著/猪上杉子訳(春秋社/2014.3)
http://zauberfloete.at.webry.info/201405/article_22.html

●「オペラは手ごわい」岸純信著(春秋社/2014.3)
http://zauberfloete.at.webry.info/201405/article_22.html

●「ザ・富士山 対決!北斎v.s.広重」赤坂治績著(新潮社/2014.2)
北斎の「富嶽三十六景」と、広重の「名所江戸百景」、「富士三十六景」、「不二三十六景」などから、同じ場所(日本橋、佃島、深川、浅草、青山、江ノ島、箱根など多数)を描いた作品を対比させ、その土地の歴史、両者の作品の分析などが興味深く語られる。一般的に(かどうか)、北斎優位と考えられがちだが、広重の作品が北斎の作品に勝るとも劣らない優れたものであるということをあらためて認識させられることとなった。

●「クラシックはおいしい~アーティスト・レシピ~」伊熊よし子著(芸術新聞社/2013.9)
著者がこれまで、取材やインタビューなどで会った著名な歌手/演奏家/指揮者などに、イメージ的に合うレシピを当てはめた内容。レシピはレシピで試行錯誤によるものらしいが、直接音楽家本人とは関係がない。著者が直接体験した興味深いエピソードも少しは含まれているが、個人的にはそれらだけに焦点を絞ってまとめて欲しかったと思う。

●「英国一家日本を食べる」マイケル・ブース著/寺西のぶ子訳(亜紀書房/2013.4)
原題はSUSHI AND BEYOND,2009年に出版されている。一部の間ではかなり有名になっていたらしい。読み始めはなかなか面白く、先が期待されたが途中から一本調子というか大したことがなくなってきた。全般的にはやや期待外れ。

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