バルテュス展

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バルテュス展を観た(東京都美術館)。バルテュスは1908年パリ生まれ(カラヤンと同年)、2001年没。美術学校に通うことなく、ヨーロッパ絵画の伝統に触れながら、20世紀美術の流派のどれにも属することなく独特な具象絵画の世界を築き上げていったとのこと。1967年に日本人女性と結婚、今回の展示も節子夫人の全面的な協力を得て開催されたという。油彩が40点以上、素描・習作や挿画など約50点というかなり充実した内容で、スイスの住居に残るアトリエを再現したセットも展示されていた。
私はこの画家についてまったく何も知らなかったのだが、「称賛と誤解だらけの、20世紀最後の巨匠」というサブタイトルにある「20世紀最後の巨匠」という言葉は、ピカソによるものらしい。あくまで具象にこだわった人のようで、坂本龍一氏の「20世紀のノイジーで調性のない音楽に対し、最後まで叙情的な音楽を書いたプーランクのよう」という表現も、ある意味で分かりやすいかも知れない。
主題の中心でもあったという「少女」を描いた作品は内省的で静謐、色調は概して暗めではあるが、光の効果が特徴的なものが少なくなかった。が、時にはシニャックを思わせる光の表現や、デルヴォーを想起させる雰囲気もあり、またシャヴァンヌ的なフレスコ画のような硬い質感を持った表現もあれば、さらに、特徴的な顔を持つ作品はユーモアも感じられるという、さまざまな面が感じられた。中でも印象的だったのは、エミリー・ブロンテ「嵐が丘」のための14枚の挿画。鉛筆+インクによる簡単な絵なのだが、何となく他の多くの作品に通じるベース/共通性が感じられ興味深かった。
私が一枚だけ買ったポストカードは、「昼顔Ⅱ」という1955年の作品。まったくバルテュスらしくない作品ではあるが心惹かれるものがあった。

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