「魔法使いの弟子」

フランスの作曲家ポール・デュカス(1865~1935)により、「ゲーテのバラードによる序奏とコーダつきの交響的スケルツォ」として1897年に作曲され、同年5月に初演された。原作の大意は下記の通り(wikipediaより)。
老いた魔法使いが若い見習いに雑用を言い残し、自分の工房を旅立つところから物語が始まる。
見習いは命じられた水汲みの仕事に飽き飽きして、箒に魔法をかけて自分の仕事の身代わりをさせるが、見習いはまだ完全には魔法の訓練を受けていなかった。そのためやがて床一面は水浸しとなってしまい、見習いは魔法を止める呪文が分からないので、自分に箒を止める力がないことを思い知らされる。絶望のあまりに、見習いは鉈で箒を2つに割るが、さらにそれぞれの部分が水汲みを続けていき、かえって速く水で溢れ返ってしまう。もはや洪水のような勢いに手のつけようが無くなったかに見えた瞬間、老師が戻ってきて、たちまちまじないをかけて急場を救い、弟子を叱り付ける。

ディズニーの映画「ファンタジア」でのこのシーンを見たことがある方も少なくないと思うが、私もこの曲のイメージはこのアニメで創られたことは間違いない。
そしてこの曲は、私が子供の頃、おそらく最初に聴いたクラシックの曲の一つだった。何年生だったかは覚えていないが、たしか陸上自衛隊中央音楽隊による演奏だったと思う。その後も何回かテレビで読響やN響の演奏を観たが、なぜかLPでは一枚も持っていなかった。
スコアも現在ではIMSLPはじめ、日本楽譜出版社などからも出版されており簡単に入手できるが、昔はデュランの高価な輸入版しかなく、いつも立ち読みで済ませていたものだった。
この曲は編成も大きく、ピッコロ1、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、バスクラリネット1、ファゴット3、コントラファゴット1、F管ホルン4、C管トランペット2、B管コルネット2、トロンボーン3、ティンパニ、グロッケンシュピール、バスドラム、シンバル、トライアングル、ハープ、弦五部となっている。
特筆すべきは、スコアのコントラファゴットの箇所に「またはコントラバス・サリュッソフォーン」と書かれていること。サリュッソフォーンとはダブルリードを用いる木管楽器の一種。ラヴェルの曲にもその指定が見られる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AA%E3%83%A5%E3%82%BD%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%B3

さて、前置きが大変長くなってしまったが、今月末の演奏会でこの曲を演奏する(私にとっては今回が初めて)。私が学生の頃は上記のような編成の巨大さもあり、アマオケがこの曲を演奏することなど考えられなかったが、最近ではコントラファゴットの普及(?)もあり、演奏されるのは日常茶飯事のようである。
耳で聴いてだいたいの曲の感じは知っていたとはいえ、初めてパート譜(今回の私の担当は第3ファゴット)を見てみると、部分的にひじょうに難易度が高い箇所があり苦戦している。トゥッティの中で聴こえないところもあるものの、結構聴こえるところもあるので油断ならない。それにこの曲はファゴットの聴かせどころが珍しく多い。そのこともあり、演奏していてもひじょうに楽しい曲である。
今回、初めてスコア(国内版)も買って一通り眺めてみたが、耳で聴こえる以上に多くの音が細かく書き込まれており、ある意味単純(?)ではありながらひじょうによくできている曲であるということを再認識した。ちなみに、私が持っているCDは下記の3枚だけ。レーグナーは暗すぎ、レヴァインは明るい。
○レーグナー=ベルリン放送管弦楽団(Deutsche Schallplatten/1977)
○レヴァイン=ベルリン・フィル(DG/1986)
○プレヴィン=ロサンゼルスPO(PHILIPS/1989)
なお、カラヤンは遂にこの曲を演奏/録音することはなかったが、演出上手のカラヤンのこと、実現していればさぞかし名演になったことだろうと思う。

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