「雪が溶けない」

朝日新聞の朝刊に「寒い 雪が溶けない」という見出しがあったのだが、やや違和感があったので辞書を調べてみた。
http://www.asahi.com/shimen/articles/TKY201302250632.html?ref=nmail_20130226mo&ref=pcviewpage
●溶ける(「融ける」とも書く):
①雪・霜・氷や絵の具・飴などが、熱を受けたり液体にひたされたりしてどろどろ(液状)になる。
②液体の中に塩、砂糖など粉状の物質が交ざって、均質化した液体になる。
③金属が高温に熱せられて、どろどろの状態になる。→「熔ける」とも書く。
(以上、新明解国語辞典第五版/三省堂)
●溶ける(解ける、融ける、熔ける、鎔ける):
①固まっていたものが熱で液状になる。
②液体の中に入れたものが自然に混じり合う。
(以上、新選国語辞典第七版/小学館)
固体から液体への変化は融解と言うが、上記のように「雪がとける」ときに使う漢字は、辞書的には「溶ける」が正しいらしい。
とはいえ、何か割り切れない感じが残ったので、もう少し考えているうちに思い出したのが「雪解け」という言葉。
●解ける:
①(縫い目、結び目がゆるんだりして)糸や紐が、縫ったり結んだりした物から離れる。
②もつれていた物の先が見つかって、元の状態にもどる。
(以上、新明解国語辞典第五版/三省堂)
●解ける:
①結ばれているものがはなれる。ほどける。
②一時的な状態がもとにもどる。
③心の中のしこりがなくなる。
④わからなかったことの答えが見つかる。
(以上、新選国語辞典第七版/小学館)
ということで、辞書的には雪がとける場合には「解ける」は使わないようである。念のため、「雪解け」を調べてみる。
●雪解け(雪融とも書く)
積もった雪が春になってとけること。国際間などの緊張緩和の意にも用いられる。(新明解国語辞典第五版/三省堂)
●雪解け
①雪がとけて水になること。また、そのとき。
②両者の間の反感・緊張などがゆるむこと。うちとけてくること。
(以上、新選国語辞典第七版/小学館)

よくわからなくなってきたが、個人的には雪がとける場合の漢字はやはり「解ける」の方がしっくりくる。
ほかにも、解凍、融解、氷解などの言葉があり、これらも「とける」という意味の「解」であり、「溶ける」の「溶」は混じり/交ざり合うという感じの方が強い。
いずれにしても、雪が「溶ければ」水になり、雪が「解ければ」春になるのだろう。

なお、「解」の字は、下記のような読み方もあるらしい。
●解れる(ほぐれる):①もつれたもの、ぐるぐる巻き付いたもの、かたく固まったものなどがばらばらにはなれる。
②(本来やわらかいが一時的に)固まっていたものが、そのかたさをなくす。
●解ける(ほどける):結んだもの、縫ったもの、もつれたものなどがゆるんで、はなれた状態になる。
●解れる(ほつれる):結んだもの、縫ったもの、たばねたものなどがばらばらになる。
●解ける(とける):もつれたもの、巻き付いたもの、固まったもの、結んだものなどがほどける。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

面白い

この記事へのコメント

cognoscenti
2013年02月27日 10:29
新聞用語の基準では、

・自然現象(気象)で物質が液状になることを「溶ける」
・人工的なものの緊張や結束の状態がゆるむことを「解ける」

という使い分けが定められてまして、今回は前者に該当します。「米ソ関係の雪解け」は後者ですね。

(いつもクラシックの博識なコメントを拝読させていただいている一読者より)
2013年02月27日 20:48
cognoscentiさま
コメントありがとうございます。
そのような基準があったことを思い出しました。

この記事へのトラックバック

  • 「異字同訓」の漢字の使い分け

    Excerpt: 文化庁の文化審議会は、訓読みが同じ漢字、「異字同訓」の使い分けの事例を示す手引を42年ぶりに見直し、それぞれの漢字が持つ意味などの詳しい説明/解説が発表された。 http://www.bunka.g.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2014-02-22 23:41