ロッシーニ:管楽四重奏曲第1番ヘ長調

今月末の昼休みコンサートでこの曲を演奏する。木管五重奏からオーボエが抜けたフルート、クラリネット、ホルン、ファゴットによる四重奏で、この編成で最も有名な曲がこのロッシーニのセット。1820年代の終わりに、ドイツのクラリネット奏者フリードリヒ・ベールの編曲により6曲セットとして出版された。そしてこのうち5曲は、1804年にロッシーニが作曲した「弦楽のためのソナタ(2つのヴァイオリン、チェロ、コントラバスのための四重奏)」からの編曲である。以下、オリジナルとの対比。
―オリジナル― ―管楽四重奏―
第1番ト長調   第1番ヘ長調
第2番イ長調   第2番ト長調
第3番ハ長調  (編曲されず) 
第4番変ロ長調 第4番変ロ長調
第5番変ホ長調 第3番ヘ長調
第6番ニ長調   第5番ニ長調
そして第6番として出版されたのが、1812年にロッシーニが作曲したとされる「管楽四重奏のためのアンダンテ、主題と変奏」である(ベールはこの曲にも編曲を加えている)。
http://zauberfloete.at.webry.info/201208/article_7.html
http://zauberfloete.at.webry.info/201208/article_15.html
http://zauberfloete.at.webry.info/201208/article_16.html
さて、この第1番、上記の通り「弦楽のためのソナタ」第1番からの編曲である。しかし、8/12付の記事にも書いたように、この編曲版は、ロッシーニのオリジナルを基にベールが編曲した訳ではなく、第三者(ロッシーニ自身という説もあるが)が通常の弦楽四重奏用に編曲した版(その時点で第3番はカットされていた)からの管楽四重奏への編曲であったという事情がある。
そのためか(どうか)、オリジナルの「弦楽のためのソナタ」と管楽四重奏の間には少なからず違いが存在する。この第1番で言えば、細かいヴァイオリンの動きを簡略化したような箇所以外にも、第一、三楽章でのチェロ、コントラバスの旋律線などは大幅に書き換えられている。
今回、この第1番の練習を始めてから、その練習の録音を聴いているうちに、音符やアーティキュレーションに違和感を感じる箇所が何箇所か発見された。そのため、あらためて編曲版の各パート譜とオリジナルのスコア(ドブリンガー版)を詳細にチェックしてみたところ、上記大幅に書き換えられた箇所は別としても、オリジナルとの微細な違い(フレーズ中の半音または全音の違い等)が少なからず発見されることとなった。フルート・パートにおける違いが最も多く、クラリネット、ホルン・パートにも数箇所存在する。これらの違いは、ベールが意図的に変更したとはほとんど考えられず(変更する必然性が感じられない)、単なる間違い/ミスではないかと思われる。
そして、あらためて何種類かのCDを聴き直してみた。
ご丁寧に楽譜通り(間違って)演奏しているCDが多かった中、アンサンブル・ウィーン・ベルリンのシュルツ氏の演奏だけは、私が気がついた間違いの箇所をほとんどすべて修正して演奏していることが分かった。ちなみに他のパートは修正されていない。
どこまでがベールが意図した編曲で、何が「間違い」なのかについて客観的に判断はできないが、オリジナルを知っている人間としては、微妙な違いというのは気持ちの悪いものであるため、今回は私の趣味(?)で、すべてのパートをできるだけオリジナルに近づけることとした。
蛇足ながら、私自身、この曲は昔からよく知っており特に愛着のある曲だったので、これまで一般的に有名な曲だとばかりだと思っていた。
http://zauberfloete.at.webry.info/200708/article_10.html
試しに、私の所属するオケの弦楽器の何人かに訊いてみたが、知っている人はほとんどいなかった。管楽器奏者であればその率はもっと低いということなのだろう・・・。

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