山田和樹=パリ管弦楽団演奏会 

山田和樹=パリ管弦楽団演奏会を観た(プレミアムシアター/NHK-BSプレミアム)。曲目等は下記の通り。
○グリンカ:歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲
○ハチャトゥリアン:ピアノ協奏曲/ピアノ:ジャン・イヴ・ティボーデ
○チャイコフスキー:交響曲第6番ロ短調「悲愴」作品74
○管弦楽:パリ管弦楽団/指揮:山田和樹
○収録:2011年6月15日 フランス・パリ サル・プレイエル               
山田和樹氏は2009年11月に、プラッソンの代役として初めてパリ管弦楽団を指揮している。
http://zauberfloete.at.webry.info/200911/article_12.html
この時も好評だったと聞くが、再び招聘されたということがオーケストラ側に認められたということの証であると思われる。
ハチャトゥリアンのコンチェルトは初めて聴く曲で、ソロ/オーケストラともどもなかなかの難曲のように聴こえた。
「悲愴」の冒頭、かなり低い腕の位置で振り始めたのは驚いたが、指揮はいたってオーソドックス。そしてあまりロマンティクすぎず、概して楷書的ながら歌うところはきっちり感情を込めて歌い、緩急の付け方/呼吸は自然で音楽が良く流れるという印象を持った。
なお、第一楽章アレグロ・ヴィヴォの直前クラリネットのソロに続く下降パッセージ、通常バスクラに置き換えるところをあえて楽譜通りファゴットに吹かせていた点にはこだわりを感じた(バスクラの用法に通じていたチャイコフスキーがバスクラではなく、敢えてファゴットを使ったことはそれなりの意味がある、と私も考えている)。クライマックスもパワー全開ではなくまだ余裕があるように見受けられたが、278小節のティンパニをクレッシェンドして279小節になだれ込むやり方は効果的だったと思う。
第二楽章も自然な流れ、第三楽章はややクール(ティンパニなどを最強奏させない)ではあったが、それなりの盛り上がりをみせ、終楽章への期待が高まった。
そして第三楽章の終わり、指揮は完全に終止せずそのまま第四楽章が始まったのは驚いた。普通、アタッカで第四楽章に続ける場合でも、最後の和音を完全に鳴らし終えてから、あらためて第四楽章を始めるのだが、今回の場合、最後の和音を鳴らした棒は止まることなく、そのまま弧を描いて第四楽章の冒頭が始まった。抑揚の付け方、クライマックスへの持っていき方も自然で好演だったと思う。が、最後のホルンのゲシュトプフは(どの演奏でもそうだが)やはり音量が出ず、欲求不満ではあった。
オケの木管はプラッツ、ベネ、モラゲス、マンドレッシ。なお、マンドレッシのリード、冒頭のソロの時には糸を巻いていないものだったが、糸というものは音質には関係のないまったくの飾りなのだろうか・・・。

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