ロッシーニ:「アンダンテ、主題と変奏」

来月の公開演奏会でこの曲を演奏する。木管五重奏はこれまで何回かやってきたが、四重奏は今回が初めて。当たり前だが、五重奏では五分の一だった役割が四重奏では四分の一になる訳で、ひじょうに役割が重い。さらにこの曲は他のロッシーニの四重奏に比べて名曲だが難易度もかなり高い。ということで、ずいぶん練習はしているのだが、なかなか思うように演奏できないという現状である・・・。
さて、この曲、管楽四重奏曲第6番とも言われるが、今回まとめて聴き比べた結果、どうやらショット版(ベール編曲)とそれ以外(ベーレンライター版?)の二種類が存在することがわかった。
http://zauberfloete.at.webry.info/201208/article_7.html
●ランパル、ランスロ、クルシエ、オンニュ(ERATO/1963?) 3:44/7:30
古典的な名演というか、昔はこの演奏しか存在しなかった。リピートする場合でも各変奏毎に間を取ったり、全体的にやや古めかしい感じもしないでもないが、とにかくオンニュの存在感が凄い。ランスロは往年の名手とはいえ、アリニョンやイタリアの奏者たちと比べるとやや疑問符も付く。全般的にいかにもフランス的といえばフランス的な自由な演奏とも言える。なお、変奏のリピートはすべて行っている。

●コンソルティウム・クラシクム(MDG/1985) 3:46/5:45
フルートはベルリン・フィル団員でピッコロ兼務だったデュンシェーデ、クラはクレッカー、ホルンはベルリン・フィルのヴァレンドルフ、ファゴットはカール・オットー・ハルトマン
とにかく全員ドイツ的な美しい音色。技術的にも素晴らしく演出も巧みでなかなか聴かせる。特にハルトマンのファゴットの音色は柔らかくひじょうに美しい。変奏のリピートは前半のみ、ベール編曲との表記もある。なお、第二変奏のホルンは最速のテンポ。さらに、曲の終わり近くでフルートが鮮やかなカデンツァを入れている。

●アンサンブル・ウィーン・ベルリン(SONY/1992) 3:27/7:24
シュルツ、ライスター、ヘグナー、トゥルコヴィチという名手たちによる演奏。アンサンブルとしては優れていると思うが、イタリアの奏者たちの自由な演奏とは異なり、きっちりとまとまり過ぎている感じもある。変奏のリピートはすべて実施、第三変奏のクラリネットは最速。ベール編曲と書いてあるが、主題の開始部分のファゴットはオクターヴ下げて吹いている。

●フルート:アンドレア・グリミネッリ、クラリネット:コラド・ジュフレディ、ホルン:ダニロ・マルチェッロ、ファゴット:リノ・ヴェルニッツィ(DECCA/1993) 4:05/5:36
最近購入したCDで、管楽四重奏によるロッシーニの序曲集が収録されている。
http://zauberfloete.at.webry.info/201208/article_3.html
今回聴いた中で、この演奏とクインテット・ゼフィルスの演奏がショット版(ベール編曲)ではなく、異なる版で演奏している。特にフルートの違いが顕著で、主題の後半とか第五変奏でより華麗な演奏効果をあげている。
グリミネッリ以外の人たちは特に有名な人ではないが、技術的/音楽的に素晴らしいものがあり、その柔軟で自由な歌い方は見事と言うしかない。曲の終盤での盛り上げ方は特に素晴らしい。変奏のリピートは後半のみ。

●パリ・クァルテット(Pierre Verany/1996) 3:23/7:44
シェリエ、アリニョン、カザレ、オダンというメンバー。
全般的には洗練された爽やかな演奏。技術的にも安定しているが表現は比較的淡白。アリニョンは明るく伸びやかな音色で素晴らしい。オダンはオンニュとはかなり異なり、ファゴットに近い音色のバソンでさすがに上手い。変奏のリピートはすべて実施。使用楽譜についての表記はないがショット版と思われる。

●マイケル・トンプソン管楽四重奏団(NAXOS/1996) 3:41/7:12
フルート:ジョナサン・スノウデン、クラリネット:ロバート・ヒル、ホルン:マイケル・トンプソン、ファゴット:ジョン・プライス
Edition:F.Berr von Walter Zachert/Publishers:Schott Music との表記がある。
全般的に地味で大人しい演奏。ホルンも普通で、クラはかなりイギリス的な音色。演出上も特に面白みはない。変奏のリピートはすべて実施。

●クインテット・ゼフィルス(BONGIOVANNI/録音時期不明) 3:33/6:45
フルート:ジョヴァンニ・ブルグナーミ、クラリネット:パオロ・ヴェンチュリ、ホルン:マルコ・ヴェンチュリ、ファゴット:シュテファーノ・シュテファン
Pot-Pourri Rossini と題されたアルバムで、ロッシーニの室内楽の小品集が収められており、拍手が入っていることからライブ録音のようだが、DDDの記載はあるものの録音日時などのデータは一切書かれていない。私自身買ったこと自体まったく忘れており、棚の中から偶然発見されたもの。
乾いた音だが個々の楽器はクリアでかつよく歌う。技術的にも完璧でライブとは思えない。変奏では後半のみリピートしている。なお、使用楽譜はグリミネッリ盤と同じもののようで特にフルートが華麗。なお、ヘ短調の変奏でファゴットが装飾音符を加えている(C-Des-C をC-Es-Des-Cと演奏している)。

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