バレンボイム/モーツァルト:ピアノ協奏曲集~その2~

バレンボイム=ベルリン・フィルによる、モーツァルト:ピアノ協奏曲集(第20~27番)のDVD(EUROARTS)の後半4曲を観た。
●ピアノ協奏曲第24番ハ短調K491(1988年2月の収録/CDのデータより、以下同様)
全曲に緊張感漲る力演。このセットの中でも名演に入る演奏と思う。バレンボイムはこの曲の第二楽章で初めて装飾を入れて弾いている。
コッホ以下のベルリン・フィルの木管群は圧倒的な名演を聴かせる。やはり音声のみ(CD)よりも映像で観た方がインパクトははるかに大きい。
なお、第三楽章後半、ピアノのモノローグが終わり、ハ長調に転じた後の180小節後半から二本のオーボエとファゴットのメロディの部分で、最初の数拍ファゴットが落ちている。CDではちゃんと修復されていたが、この箇所は結構落ちやすいところでもある。シュヴァイゲルト氏でも落ちることがある、ということがわかりホッとした。
主要メンバーは、コンマス:シュタブラヴァ、トップサイドはゲラーマン、2nd:ヴェストファル、チェロは向かって左がボルヴィツキ、右がトイチュ、ヴィオラはシュトレーレ、バス:ヴィット、木管は前列左からブラウ、コッホ、ヴィットマン、後列は左からガイスラー、ライスター、シュヴァイゲルト、ブラウン、ティンパニ:フォーグラー、トランペット:クレッツァー他、ホルン:ザイフェルト、マクウィリアム

●ピアノ協奏曲第25番ハ長調K503(1988年2月の収録)
個人的にはあまり聴く機会の少ない曲ではあるが、これも熱演でありなかなか観応えがあった。特に緊張が緩みがちな第二楽章はドラマティックな演奏だったと思う。ツェラーはもちろん、全盛期の(?)シェレンベルガーも上手い。なお、演奏時間が異なる第二楽章をCDと聴き比べてみたが、有意な差はほとんど感じられなかった。
主要メンバーは、コンマス:安永、トップサイドはゾンネ、チェロは向かって左がボルヴィツキ、右がバウマン、ヴィオラはレーザとシュトレーレ、バス:ヴィット、木管は前列左からツェラー、シェレンベルガー、ヴィット、シュヴァイゲルト、ブラウン、後列はトランペット:グロート他、ティンパニ:フォーグラー、ホルン左:クリエール、右:ザイフェルト

●ピアノ協奏曲第26番ニ長調K537(1989年1月の収録)
この曲になると、木管のソロもほとんどなくなり、華麗さは影を潜め、曲全体が淡い色調を帯びてくる。とはいえ、バレンボイムのピアノは枯れているという感じではない。オケも地味な音色ではなくどちらかと言えば輝かしい。
第一楽章でバレンボイムが弾いているカデンツァはワンダ・ランドフスカ作とのこと。フィガロのアリアなどが出てくるユニークなもの。また、第二楽章ではバレンボイムは適度に装飾を散りばめて弾いている。
主要メンバーは、コンマス:シュタブラヴァ、トップサイドはゾンネ、チェロは向かって左がトイチュ、右がマヨウスキ、ヴィオラはクリストとレーザ、管は前列左からガイスラー、ライスター、ツェラー、後列は左からブラウン、ダミアーノ、クリエール、ザイフェルト、ティンパニ:フォーグラー、トランペット:クレッツァー他

●ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K595(1988年2月の収録)
最後の協奏曲とはいえ、バレンボイム=ベルリン・フィルの演奏は「戴冠式」同様、地味とは言えないがそれなりの趣はある。それにしても、ピアノのDがあまり低めに聴こえないのは、調律を工夫しているのだろうか・・・。
主要メンバーは、コンマス:シュタブラヴァ、チェロは向かって左がボルヴィツキ、右がトイチュ、ヴィオラはシュトレーレ、バス:ヴィット、木管は左からブラウ、コッホ、ヴィットマン、シュヴァイゲルト、トローク、後列左:マクウィリアム、右:ハウプトマン

久しぶりにモーツァルトのピアノ協奏曲第20~27番を通して聴いてみて、あらためてこれらの曲が超名曲であるということを実感した。それぞれの曲が確固たる個性、色彩豊かな情感をそなえ、かつ完璧なプロポーションを保ちつつ、無限の拡がりを持っている・・・。今度は、第9~19番まで(時間が許せば第5~8番も)を順に聴き直してみたい。

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  • モーツァルト:10番台のピアノ協奏曲

    Excerpt: 先日、第20~27番のピアノ協奏曲をまとめて鑑賞したので、今回はそれ以前の作品を何回かに分けて聴いてみた。 http://zauberfloete.at.webry.info/201206/arti.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2012-06-21 23:06