物語絵画

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録画しておいた「ぶらぶら美術・博物館/ロシアの至宝<大エルミタージュ美術館展>前編~名画で巡る400年 ルネサンスからロココヘ~」(BS日テレ 5/29放送)をやっと観た。
いつもながら、山田五郎の解説はひじょうにわかりやすいが、さらに特別ゲストに中野京子先生の登場。今回は前編ということで、ルネサンス、バロック(ルーベンス、ヴァン・ダイクなど)、ロココ(ブーシェ、ルブランなど)、そして新古典主義(ゲラン、ヴィンターハルターなど)まで、ここまででも十分面白くためになる解説が聞けたのだが、最後に登場したのが私も知らなかった、ジャン=レオン・ジェローム(19世紀後半に活躍したフランスの画家/彫刻家)という人の「仮面舞踏会後の決闘」という作品。この絵は、決闘で倒れた若者を三人が取り囲み、一方、勝者は剣を捨ててその場を立ち去ろうとしている場面を描いた作品。そして中野先生によれば、物語絵画の傑作であるこの絵からは次のようなことが読み取れるという。
まず、仮面舞踏会に参加できるということは二人が上流階級の人間であったということ、敗れた若者はもう死にそうであることが周りの人の顔つきからわかる。そして、若者がピエロの格好をしていることが大切で、ピエロというのは元来笑われ者だったが、この頃の時代から背後に哀しみを持つ存在と考えられるようになった。そのピエロが象徴するものは純粋無垢で青春、愚か、そして恋。従って、仮面舞踏会で好きな女性をめぐって二人は決闘になり、若者は命を落とした、というもの。さらに、勝者が剣を捨てていくということは、自分の剣ではなく、会場(?)に用意してあった決闘用の剣であるということがわかるとのこと。

当時の人々は誰でも、そのようなストーリーを想像することができた。映画などなかったこの時代、人々はこのような一枚を映画のように鑑賞していたという。
しかし、その後、何も知らなくても、また何も考えなくても、観るだけで楽しめる印象派の絵画に、人々の人気が移って行ったというお話。

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