「金管楽器 演奏の新理論」

佐伯茂樹氏による「金管楽器 演奏の新理論~楽器の特性を知り、表現力を上げる~」が発刊された(ヤマハミュージックメディア/2012.6)。昨年秋の「木管楽器 演奏の新理論」の続刊となる。
http://zauberfloete.at.webry.info/201110/article_14.html
金管楽器とその歴史という、ありきたりの本ではない。作曲された当時の楽器(特にトランペット、ホルン)は、現代の楽器とは、仕組みや発音原理、ピッチ、奏法、音量、音色などが異なるため、そのことを知っていれば、よりよい(作曲家が意図した)表現が可能になる、というコンセプトで書かれた本である。大変面白くひじょうにためになった。章構成は下記の通り。
自然倍音を理解して使いこなす/調性が持つ意味を知る/ヴァルヴの特徴を知る/スライドの仕組みを知る/ハンドストップの仕組みを知る/美しいレガートを習得する/名曲を使って表現テクニックを実践する
サブタイトルの通り、金管楽器を演奏する人のための本ではあるが、私のように木管楽器をやる人間にとっても一般教養として知っておいても損はないし、特に、「美しいレガートを習得する」の章はひじょうに参考になった。さらに、指揮者であれば、最低でも自然倍音やハンドストップの効果などについてはぜひ知っていて欲しいとも思う。
また、最終章:名曲を使って表現テクニックを実践するでは、ハイドン:トランペット協奏曲変ホ長調と、モーツァルト:ホルン協奏曲第4番を素材に、作曲家が前提とした楽器(前者は5キートランペット、後者ではナチュラルホルン)での演奏法、効果、現代楽器での演奏上の注意などが説明される。ホルン協奏曲では守山光三氏による解説も加わりこれもまた大変興味深い。

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