最近読んだ本 2012/3

●「小説家・逢坂剛」逢坂剛著(東京堂出版/2012.2)
「剛爺コーナー」(講談社/2010)以来の、逢坂氏によるエッセイ集。私を作った本、心に残る作家、街角の風景、作家という仕事、作家の余暇の過し方、硝煙の中の男たち、などの章に分かれているが、西部劇にまつわる最終章だけで全体の約三分の二のページ数を占めており、逢坂氏の西部劇に対する思い入れの強さに圧倒される。個人的には神保町界隈の話、ギターに関する逸話などが最も面白かった。
なお、逢坂氏によればエッセイとは、「書き手がそのときどきに感じたことや、みすからの経験や見聞をテーマとして、思いつくままに綴る雑文をさす」とのこと。この定義にしたがえば、ブログというものは間違いなくエッセイなのだろう。
●「下山の思想」五木寛之著 (幻冬舎新書/2011.12)
人生を山登りにたとえれば、前半が「登山」、後半が「下山」ということになる。国家の場合も同様であり、成長期としての登山があれば必ず成熟期以降としての下山がある。登山をすれば必ず下山しなければならなく、かつ、下山は登山以上に重要なものである。そして、下山はネガティブなものではなく、実りの多い豊かな下山を続け、さらなる再出発のための準備を整える時期であるとも述べられている。
人生の場合、再出発と言えば再出発ではあるが、いずれにしても登ってきた山をいかに上手に降りていくかということなのだろう。ゆとりを持って、安全に、しかも優雅にエンジョイしながら下降していければ良いのだが、くれぐれも雪崩や山崩れ(地震や原発事故など)には気をつけたいものである。

●「ドイツ人の価値観~ライフスタイルと考え方~」岩村偉史(三修社/2010.8)
●「最新ドイツ事情を知るための50章」浜本隆志・柳原初樹著(明石書店/2009.8)
●「日本はもうドイツに学ばない?~20世紀の戦争をどう克服すべきか~」川口マーン惠美著(徳間書店/2009.2)
最初の二冊はそれなりの内容であり、政治、社会、教育、宗教、女性、暮らしなどなどについて一通りの概況を知ることはできた。しかしそれらに比べ、川口マーン惠美の著作は圧倒的に面白かった。この人は「証言・フルトヴェングラーかカラヤンか」 (新潮選書/2008.10)
http://zauberfloete.at.webry.info/200810/article_18.html
を書いた人で、シュトゥットガルト国立音大ピアノ科卒とのことなので音楽関係の方だとずっと思っていたが、実はそうではないらしい。
内容的には、ドイツとポーランド、フランスとトルコ、プーチンとシュレーダーの関係、ホーネッカーの核シェルターの話など、ドイツとドイツを取り巻く国際情勢について、池上彰氏に匹敵する(ただしやや主観的)わかりやすさで解説されている。この手の本でこれほど読み手を飽きさせない人はそう滅多にいないと思う。

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