ハープの記譜法

野本由紀夫著「はじめてのオーケストラ・スコア~スコアの読み方ハンドブック~」(音楽之友社/2003)を読んでいたら下記のような記述(一部要約・補足)があった。
構造上ハープはなるべくフラットの音(なるべくペダルを踏まない音)を使う方が鳴り響きが良いので、譜例(ムソルグスキー/ラヴェル編曲「展覧会の絵」から「ビドロ」途中、弦楽器/C管の楽器は嬰ト短調で書かれているが、ハープは変イ短調で書かれている)のようにフラットがやたら付いた譜面づらになる。

それに先だって、「ダブル・アクション」ペダル機構に関する説明がなされている(以下要約)。
・ペダルは7つ(D,C,H/E,F,G,A)あり、最初の3つは左足、次の4つは右足で操作する。
・ハープは基本的にすべての音にフラットを付けた状態に調律されている。
・例えば、Cのペダルを一段踏むとすべてのCが半音上がってナチュラルの音(本来のC)に、そして、もう一段踏み込むとシャープの音(Cis)になる。
とのことである。
従って、フラット系の記譜の方が演奏しやすいというか楽器としての鳴りが良い、ということになるのだろう・・・。
念のため、他の曲ではハープの記譜がどうなっているか調べてみた。
・「展覧会の絵」の「チュイルリー」は、ロ長調、「卵の殻をつけた~」はヘ長調だがハープはハ長調(調号なし)。
・「展覧会の絵」の「リモージュ」は変ホ長調→ハープは変ハ長調(フラット7つ)、「カタコンブ」に続く「死者の~」はロ短調→ハープはフラット6つ、「キエフ」のハープは変ホ長調。
・「ダフニスとクロエ」第二組曲のハープには調号は付いていない
・「牧神」、冒頭は調号なし(La♯-Si♭などの指定はあるが)、21小節からはシャープ4つ、52小節からはフラット4つ、などなど。
・「花のワルツ」ではハープはオケと同じニ長調で書かれている。
・「白鳥の湖」、オーボエソロのある「情景」もオケと同じロ短調、が、VnとVcのデュオがある「情景」では、序奏の木管にシャープが付くところからハープだけフラット6つを先取りして書かれている。
・ワーグナーやリムスキー・コルサコフなどもざっと見た限りではオケと同じ調号で書かれている。

ということで、結論としてあまりよくわからなかったのだが、いずれにしてもハープという楽器は、弦を指ではじくだけではなく、両足でのペダル操作を組合せて演奏するというなかなか複雑な楽器であるということ、そして、シャープがたくさんついた時にはフラット系の調に書き直した方が演奏しやすく、よく響くということなのだろう。

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