ホノルル美術館所蔵「北斎展」

画像

「北斎展」を観た(三井記念美術館)。まとまった北斎作品を観るのは2005年に上野で開かれた大規模な展覧会以来ではないだろうか。
ホノルル美術館というと、浮世絵版画の所蔵の多さ(約10,000点)と、そのクオリティの高さには定評がある。そして、私も知らなかったのだがそのコレクションは、ミュージカル「南太平洋」の作者であるジェームス・A・ミッチェナー氏の寄贈による約5,400点を核に構成されているとのことである。
これまで、歌川広重の里帰り展は何回か開催されたらしいが、北斎は初めての展示だという。今回は「冨嶽三十六景」、「諸国名橋奇覧」、「諸国瀧廻り」など6種の揃物、さらに、デビュー当時の春朗時代の作品から、最晩年の89歳の作品「地方測量之図」までの70年近くにおよぶ画業を概観するという計160余点の展示。なお、前後期でほとんどすべての作品が展示替えされるようなので、後期はまた別の展覧会とも考えられる。

今回、最も注目すべきはやはり「冨嶽三十六景」。前期は「神奈川沖波裏」、「凱風快晴」、「江戸日本橋」など二十数点が展示されていたが、保存状態はどれも良く、全般的な印象として、「青」を始めとして明るく鮮やかな色調が際立っていた。一方で明るく鮮やか過ぎるため、「神奈川沖波裏」の右上方(波頭の先端後方付近)の薄い雲の輪郭が見え難く、また「牡丹に蝶」の牡丹の赤がやや薄いということも指摘されるかも知れない。しかし、「ひじょうに美しいまま保たれている」ということは間違いなく、どれも最近刷ったのではないかと思えるような状態に見えた。
北斎の作品を観ていて感じることは、デッサン(デフォルメはしているが)や色彩はもちろん優れているが、やはり構図が卓越しているということ。今回あらためて認識を新たにしたのは、「冨嶽三十六景」の中の「御厩川岸より両国橋夕陽見」。隅から隅まで考え尽くされた画面構成にすっかり見とれてしまった。刷りも優れており、富士のシルエット始め淡い仕上がりで美しかった。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック