モーツァルト:交響曲第39番変ホ長調K543~序奏のテンポ その3~

交響曲第39番の序奏と主部について、先日、手持ちのCDの中からいくつかその速さを実測してみたのだが、私が持っていなかったアーノンクールとインマゼールのCDを図書館から借りてきた。実測結果を前回の結果に付け加える(最初の数字はアダージョの序奏の四分音符、2番目の数字はアレグロの主部の付点二分音符のそれぞれの一分間の拍数)。
○クーベリック=バイエルン放送響(SONY/1981) 44前後/48前後
○カラヤン=ベルリン・フィル(DG/1975) 42前後/50前後
○スウィトナー=ドレスデン・シュターツカペレ(Deutsche Schallplatten/1974) 40~42くらい/50前後
以上再掲(http://zauberfloete.at.webry.info/201202/article_17.html
●アーノンクール=ロイヤル・コンセルトヘボウO(TELDEC/1981・1984) 53前後/44前後
●インマゼール=アニマ・エテルナ(ZIGZAG/2001) 58前後/60前後
*フンメルによる第39番のテンポ指定は、アダージョ:四分音符=60、アレグロ:付点ニ分音符=58
インマゼールの演奏はフンメルの指定に近いのだが、序奏とアレグロの速さが逆転しており、実際に聴いてみると序奏はともかく、アレグロから急に速くなったように聴こえ、ヴァイオリンの下降音階(72,74,76,78,80小節など)も全部聴き取れない。
一方、アーノンクールはこの序奏を完全に二分の二拍子で振っており(インマゼールではそれほど感じなかった)、最後の2小節でテンポをさらに落とすため、アレグロに入ってからも音楽の流れに継続性が感じられる。
序奏アダージョ:二分音符=26~27、アレグロ:符点ニ分音符=44前後という速さが、
<アダージョ>は<アレグロ>の半分の速さ(http://zauberfloete.at.webry.info/201202/article_19.html
に該当するかどうかは別にして、聴感上、自然に聴こえることは否めない。
そして、アーノンクールのアレグロは比較的ゆっくりなため、上記ヴァイオリンの下降音階が明瞭に聴こえる。この下降音階は第一楽章のみならず全曲にわたって使われており、ある意味では統一素材ともいえるため、それを際立たせるという配慮からもアーノンクールのテンポ設定は妥当のように思える。

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