日経おとなのOFF~第九入門~

先月買い損ねた「日経おとなのOFF 12月号~第九入門~」を図書館で借りてきた。本誌上の記事は、シラーによる「歓喜に寄せて」の原詩、茂木大輔氏による楽曲解説、ベートーヴェンの日記、林田直樹氏による名盤案内など興味深いものが少なくなかったが、最大の収穫はティーレマン指揮ウィーン・フィルによる第九の第四楽章のDVDの付録で、これは大変面白かった。
2010年4月 ウィーン・ムジークフェラインザールでのライブ、ソリストは下記の通り。
ソプラノ:アネッテ・ダッシュ、アルト:藤村実穂子、テナー:ピョートル・ベチャワ、バス:ゲオルク・ツェッペンフェルト、合唱:ウィーン楽友協会合唱団(合唱指揮:ヨハネス・プリンツ)。
ティーレマンの指揮は何回観ても振り下ろす指揮ではなく、「振り上げる」指揮。また、垂直に棒を振り下ろすことはほとんどなく、下から上げる以外は左右の横に流れている。
終楽章冒頭はきちんと3つ振りにしており、そのまま低弦のレチタティーヴォまで3つで振りひじょうに分かりやすい。歓喜の歌が低弦で奏される直前の休止はかなり時間を取っている。歓喜の歌のテーマはひじょうに小さく、そしてゆっくりと始まる。ヴィオラと一緒に出るファゴットは1st(ヴェルバ)のみで、最近一緒に演奏されることが多い2ndファゴット(コントラバスと同じ譜面)は休止する。徐々にクレッシェンドしていきトゥッティで奏されるテーマは輝かしい。
二回目のファンファーレに続くバリトンのレチタティーヴォの最後は楽譜通り FF で歌っていた
http://zauberfloete.at.webry.info/201112/article_27.html
が、この人はなかなか上手かった。合唱はそれほどの大人数ではないがきちんと聴かせる(女性たちの衣装はなかなか素晴らしかった)。vor Gott のフェルマータは長い。
トルコマーチの後半、オケだけの間奏に入る少し前からのアッチェレランドは凄まじいものだった。そして、Freude,schoener の合唱に入る前のホルンのオクターブのFisの伸ばしで急激にブレーキをかける、等など・・。
このような調子でオーソドックスな演奏とは言えないが、重心が低く、味の濃い、伸び縮みの激しいうねるような演奏だったと思う。保守派(?)からティーレマンが支持されるのもわかるような気がする。私も結構好きだ。

ムジークフェラインザールの舞台はオケとソリスト・合唱で満杯状態。木管は4管、金管はホルン5以外は楽譜通りの人数。ヴァイオリンは対向配置、低弦は向かって左側、右手からは打楽器、ティンパニ、左隣にトランペット、トロンボーン、ホルンというウィーン・フィルにしては珍しい並び方。
コンマスはキュッヒル、トップサイドは珍しくギュンター・ザイフェルト、2ndトップはコンツ、木管はフルーリー、ガブリエル、ショルン、ヴェルバ、なおピッコロのフォーグルマイアはひじょうに存在感があった。ホルンはシュトランスキー(1アシ?)、イェブストゥル、マイヤー、フーバー他。

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この記事へのコメント

ひでくんママ
2012年01月11日 23:31
マンドリン・クラブで活躍する友人がティーレマンのDVDを観て、「うちの指揮者も、かちあげるんよ」と言ってました。
きょうはウェルナー・ハースのピアノで、ラフマニノフの第2協奏曲を聴きました。指揮はインバルさん。こんなリリックな、いや甘~~~いラフさんは初めてです。
2012年01月12日 21:24
ひでくんママさま
コメントありがとうございます。ラフマニノフのコンチェルトは、私は一枚(ワイセンベルク&カラヤン)しか持っておらず、もう何十年も聴いていません。ワイセンベルクも先日お亡くなりになったので今度聴いてみようと思っています。

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