CDショップ

ずいぶん久しぶりに渋谷のTレコードに行った。クラシック輸入盤の品揃えという意味では、やはりここが東京で最大ではないかと思う。
新譜情報はだいたい把握しているとはいえ、実際に店頭に行くと思いもよらぬCDを発見することもある。今回も、ウルフ・ディーター・シャーフ(ベルリン放送響フルート首席)のソロ盤とか、バボラク&ベルリン・バロック・ゾリステンのテレマン、他にもツィンマーマン・トリオのベートーヴェンなど購買意欲をそそられるものもあったが、結局買ったのは下記の2枚のみ。
●ベルリン・フィル・ヨーロッパ・コンサート(EUROARTS/2003)
→リスボンでのコンサート・ライブで、以前テレビで観たことはあったが、カタログ付きDVDで880円と格安だったためつい購入。指揮はブーレーズ。曲目は、ラヴェル:クープランの墓、モーツァルト:ピアノ協奏曲第20番二短調(ピアノ独奏:ピリス)、バルトーク:オーケストラのための協奏曲など。
さすがにベルリン・フィルは巧く、映像が付くことによって臨場感も増す。ピリスのピアノはやや硬さがあるものの秀演。特筆すべきはオケ、ピアノ、木管のバランスのとり方で、終楽章のピアノ、フルート、ファゴットの掛け合いもちゃんと聴こえている。
●モーツァルト:管楽器のための協奏交響曲/フルートとハープのための協奏曲/アバド=モーツァルトO(DG/2008) ソリストは、ナヴァロ(Ob)、カルボナーレ(Cl)、サンタナ(Fg)、アレグリーニ(Hr)
アバドの音楽づくりがあまり期待できないとわかってはいても、協奏交響曲の新譜となるとつい買ってしまう・・・。
→開始のEs-durのトゥッティは二分音符より短い。そして、(予想通り)全曲を通じてオケはおそろしく風通しがよく、淡白な演奏となっている(カラヤン=ベルリン・フィルとは対極の解釈)。ソリストは皆達者で、ナヴァロは時折装飾を付けるが嫌味にならず好ましい。アレグリーニももちろん素晴らしいのだが、録音上ファゴットがいやに前に出て、ホルンが引っ込んでいるのは明らかにおかしい。そのように聴こえて欲しいとは思っても現実的には絶対にそのようにはならないものである。

アバドといえば、「レコード芸術」最新(2012年1月)号に、以前採り上げたグリモーとのモーツァルトの協奏曲
http://zauberfloete.at.webry.info/201111/article_1.html
録音時のウラ話が載っている(広瀬大介氏による記事;文脈的に一部分かり難い部分があるので要約した)。
出典はニューヨーク・タイムズのインターネット版2011年10月30日の記事。それによれば、今年5月29日、ボローニャで、グリモーはアバド=モーツァルトOとモーツァルトK488の協奏曲で共演する。その際、グリモーはブゾーニ版のカデンツァを使用したがアバドはそれを気に入らず、差し替えを求めたという。グリモーは「どのカデンツァを選ぶかはソリストに権限があるはず」と一歩も譲らなかったという。
結局、その時の録音はお蔵入り、それ以前にミュンヘンでライブ録音されていたバイエルン放送室内Oとの弾き振りが発売されたとのこと。
バーンスタインとグールド、カラヤンとポゴレリチなど、協奏曲における指揮者とソリストの力関係は微妙なものがあるが、今回の件はグリモーの方に分があるように思える。

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