オッフェンバック:「天国と地獄」序曲

オッフェンバック(1819~1880)のオペレッタ「地獄のオルフェ(またはオルフェウス)」は、一般的には「天国と地獄」と呼ばれるが、このオペレッタの序曲には下記の3種類が存在する。
①1858年初演時の前奏曲
②1874年パリ、ゲテ劇場での再演時にオッフェンバックが大オーケストラ用に作曲した序曲
③1860年ウィーン初演(ドイツ語版)時に、カール・ビンダー(1816~1860)が作曲した序曲

①このコミック・オペラ(2幕4場、登場人物も男女7人)がブッフ・パリジャン座で初演された時の前奏曲であり、小編成のオーケストラ用に書かれている。3分程度の短い曲で、プリュトン(アリステ)の牧歌的な歌とジュピテールのメヌエットの2つの主題を基にしており、何とも言えない哀感に満ちている。第一幕の「世論」の語りにそのままつながって行く。CDは下記の通り(他にあるかどうかは不明)。
・ミンコフスキ=リヨン国立歌劇場管弦楽団(EMI/1997)
・ケック=モンペリエ・ナショナルO(ACCORD/2003) *途中から組曲風にアレンジされている。
②オッフェンバックが1873年ゲテ座の音楽監督に就任、初版を4幕12場、登場人物も2倍以上に増やしバレエや児童合唱も含めた大編成のオペラに改訂した。その際に付け加えられた序曲。「オルフェをめぐるプロムナード」とも呼ばれ、①と同様のプリュトンのテーマとジュピテールのメヌエットに加え、改訂されたオペラ・フェアリー(夢幻劇)の主要なテーマが次々と登場する。生き生きとした躍動感に溢れた曲で演奏時間は約9分。
・アルメイダ=フィルハーモニアO(PHILIPS/1987)
・ミンコフスキ=レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル(ARCHIV/2006)
によるCDが出ている(プラッソンによる演奏もあるらしいが私は未聴)。
③世間で最も有名な「天国と地獄」序曲がこれ。オッフェンバックの素材を使っているとはいえ、他の人が作曲したということはあまり知られていないのではないか。ロザンタール作曲の「パリの喜び」もそうであるように、たとえオッフェンバック自身の作曲ではなくても、聴こえてくる音楽はオッフェンバック以外の何物でもないと思う。
CDは山のように出ており、私が持っているのはカラヤン始め、アンセルメ、フレモー、ヴァイル、マリナー、カンゼル・・、と数知れない。

さて、私自身、オッフェンバックは大好きな作曲家であり、これまで手に入る演奏はかなり聴いてきた。
http://zauberfloete.at.webry.info/200705/article_2.html
今度の日曜のコンサートでこの曲(③)を演奏するのだが、私にとって先日の変則木管五重奏による演奏を除き、初めてのオッフェンバック体験となる。ファゴット・パート的にはあってもなくても同じような状況(?)ではあるが、曲自体は大変楽しいものなので、聴衆の方々にも十分満足していただけるのではないかと思っている。

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  • オッフェンバック:序曲集

    Excerpt: オッフェンバックの序曲集(アルバムタイトルは違っても序曲が5曲以上入っているものはとりあえずそう呼ぶ)と いうのは何枚リリースされているかわからないが、とりあえず家にあるものをかいつまんで聴いてみた.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2014-01-06 22:41