最近読んだ本2010/6~2010/7

●新版「古楽のすすめ」金澤正剛著(音楽之友社/2010.7)
音友オルフェ・ライブラリーの一冊。A6版260ページ余りの本だが2400円という高価格。
初版は1998年に出版されたとのことで、これは改訂版。私は初めて読んだのだが大変参考になる内容で面白かった。「ド・レ・ミの起源」、「シャープとフラットの歴史」などは音楽をやる人にとっては教養としてぜひ知っておくべき内容と思う。
そして、「イネガル(不均等)の奏法」。17世紀中頃から18世紀にかけてフランスで一般に行われていた奏法で、「八分音符の連続が音階的に動くときは、付点音符のようなリズムで演奏するが、音符はすべて同じ音価の音符として記譜する」というもの。シャルパンティエ、リュリ、クープランなどの演奏においてこのイネガル奏法は不可欠であるという。やはり楽譜というものは「書かれた通りに忠実に」演奏すれば良いという訳ではない。

●「究極の楽典~最高の知識を得るために~」青島広志著(全音楽譜出版社/2009.12)
「楽典ノススメ」(音楽之友社)が絶版になって以後、紆余曲折があってやっと出版にこぎ付けたとのこと。
第1課 楽譜の基本的な概念 の章は入口としてはかなりユニークで興味深いアプローチ(時間の経過の視覚化の方法、音の長さは表されているが音量までは表記されていないetc.)がなされている。全体的な構成は、音高の記譜法、リズム/拍子について、音程、音階、和音、速度、強弱、曲想、奏法、装飾など必要事項が網羅されており、個人的にもレビューの意味で大変参考になった。が、個人的にも弱点である和音については、やはりピアノなど鍵盤楽器で実際に音を出しながら(聴きながら)覚えていかないとなかなか難しいことをあらためて感じる。
一点、装飾音の章で、前打音(Appoggiatura)について、「和音外である倚音と同じAppoggiaturaの名称を持つが、同じ意味ではない」と書かれているが、個人的には、倚音、掛留音、前打音などの「現場における演奏法」についてのもっと詳しい解説が欲しかった。

●「こんなの、はじめて?」 酒井順子著(講談社/2010.5)
週刊現代に連載されたエッセイの単行本化で、「その人、独身?」、「駆け込み、セーフ?」、「いつから、中年?」、「女も、不況?」というシリーズで、網中いづるという人が装画を担当しているらしい(装丁は佐藤可士和)。タイトルは、以前であれば若い女性のセリフだった 「こんなの、はじめて」は、最近では若い男の子の(年上の女性に対する)ものになっている、という章による。他にも最近の社会現象に焦点を当てた酒井流の鋭い視点と分析が54編。若い女性だけでなく、おじさんにとっても必読の書と思う。

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