モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番変ホ長調K482

「1785年12月16日、ウィーン」の作であるこの曲は、この日、ディッタースドルフのオラトリオ「エステル」の幕間に初演された。そして待降節の3回のうちの1回の、120人の予約者を前にしてこの協奏曲を再演した時、アンダンテはひじょうに大きな拍手を受けたため、もう一度演奏しなければならなかったほどであったという。
モーツァルト29歳、その創作の絶頂期に作曲されたこのピアノ協奏曲は、モーツァルトの4つ目(K271,K365,K449)の変ホ長調のピアノ協奏曲である。
http://zauberfloete.at.webry.info/200705/article_3.html
冒頭のEs(変ホ)音にトリルをかける手法はK132のシンフォニーでも使われているが、この曲特有の楽器の使い方として、冒頭のトゥッティからトランペットとティンパニが入っていることがあげられる。そのためオーケストラ全体の音色が明るく、躍動感を伴ったものとなっている。
楽器編成は他に、フルート1、クラリネット2、ファゴット2、ホルン2。続く第23番と同様にオーボエの代わりにクラリネットが用いられている。
第二楽章は憂いと陰影に溢れたハ短調。チェロとコントラバスの独立した使い方も新しいが、最大の聴きものはピアノの提示部に続く木管七重奏。29小節に渡って続く管楽合奏の例は他のいかなる曲にも見られない斬新なもの。ハ長調に転調してからのフルートとファゴットの対話もひじょうに美しい。
終楽章はお決まりのロンド。が、軽やかな流れは再び木管合奏によるアンダンティーノ・カンタービレで断ち切られる。そしてここでの木管楽器によるメロディも天国的に美しい。

私にとってこの曲の決定盤は未だに存在しない。ピアニストが優れていることはもちろんだが、この曲の場合、オーケストラ(特に管楽器)が優れていることも前提条件となるためで、さらに、それをドイツの管楽器で聴きたいというのが私の理想となっているからである。
先日入手した、バレンボイムのソロ、クーベリック=バイエルン放送響(1970.6.6/BR KLASSIK)による実況盤(ミュンヘン、ヘラクレスザール)は、大いに期待していたのだが、そこそこ美しい演奏ではあるものの私の理想とはややかけ離れた演奏ではあった。また他の演奏に期待したい。

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    Excerpt: ベルリン・フィル デジタル・コンサートホールで内田光子の弾くモーツァルトの協奏曲を観た。両曲とも期待通りの超名演だった。特に第22番は録音でも決定盤がないだけに、今回の演奏は貴重で、お金を払っても観る.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2016-12-29 22:25