ボーカル購入

ボーカル(bocal)というのは、ファゴット本体に取り付けるS字状の細い管(S-bocalともいう)で、この管の先端にリードを付けて演奏する。楽器本体やリードももちろん重要だがこのボーカルも大きな影響度を持っている。私が持っている安い楽器でさえ、優れたボーカルを組合せることにより、演奏しやすくなり、音程、音量、音色等にも大幅な改善がみられることになる。
私がこれまでずっと使っているのは、ヘッケル社製のN CC-1というボーカル(ヘッケル社の規格は、Nが洋銀・軟質のスタンダードタイプ、CCは標準型ボア/厚さ0.06mm、1 は約442Hzに合わせた長さとされている)。
1974年の夏、当時ドイツに短期留学していた友人に頼んで、ヴィースバーデンのヘッケル社にわざわざ買いに行ってもらったもの。価格は当時約33,000円だった(大学卒の初任給が80,000円くらいだった時代なので決して安くはない)。
その後、約20年間演奏活動を中止していた時代を除いて、ずっとこのボーカルを使い続けている。もちろん、「春の祭典」とか「ボレロ」など特殊な曲はこのボーカルでは高域がきついと思うが、幸い(?)そのような曲を演奏する機会もなく、古典だろうが近代ものだろうが、1stだろうが2ndもしくはアシであろうがすべてこのボーカル一本で対応してきた。
2年くらい前、ライツィンガー社のボーカル(一本約10万円)が良いという話を聞いたので、新宿D楽器で一時間くらいかけて何本か試奏させてもらったが、私のボーカルに比べ優位な差が認められなかったので結局購入を決断するまでには至らなかった。
ヘッケル社製のボーカルは、国内の楽器店では約10~18万円というかなり高い価格で売られており、また、ヤマハのスーパーボーカルも良いという話も聞いてはいたが、今のボーカルで十分満足しているしあえて新しいものを買おうとも思わずにいた。
が、昨年末あるブログで、ヘッケル社は販売代理店を通さずに直接個人からのオーダーも受け付けているという話を読んだので、問合せのメールを送ってみた。するとすぐに返事が来て、私と同じタイプのボーカルが国内に比べかなり安い価格で売られていることを知り、ユーロも安くなっているので突然オーダーしてみようという気になった。楽器店の店頭で何本かあるものから試奏して選ぶようなことはできないが、今使っているボーカルも出してもらったものをそのまま買ったという経緯もある・・。
そして、どのタイプを買おうかといろいろ考えた末、ボーカルを買うのもおそらく今回が最後なのでこの際、AG C-1 gold plated というタイプにすることにした。材質については田中雅仁氏による「ボーカルの全知識」にも詳しいが、ヘッケル社の解説によると、AGは、Bright and quiet sound と書かれている。
メールで正式に注文して翌日銀行に行き、ボーカル本体の価格に加え、送料/保険(25ユーロ)および送金手数料4,000円+支払銀行手数料3,000円を払って送金する。(以下ヘッケル社のINVOICEより)一週間後に入金、(在庫がたまたまあったのか)その6日後に発送、5日後に私の家に到着(関税および手数料3,200円を支払う)。発注/送金してから三週間かからずに到着したことになる。予想外の速さに大変驚いた。
さて、梱包を解きまず形を比較。当たり前だがCC-1とは長さもカーブもまったく同じ。ただ先端の仕上げがやや異なっておりリードがやや深めに入る(ライツィンガー社製もそうだった)。
早速吹いてみるが、特に中音域によく息が入り演奏もしやすい。音色も深く柔らかい感じがするが、こればかりは誰かに聴いてもらわないと自分ではよくわからない・・。少なくとも演奏しやすいことは重要な要素なので、とりあえず買った甲斐はあったと思う。ピッチも442Hzでまったく問題ないようだ。今後はCC-1との違い、性格をよく見極めた上でうまく使い分けて行きたい。

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    Excerpt: 私のファゴット演奏歴は のべ約28年くらいになる(途中長い中断あり)が、その間さまざまな楽器を使用してきた。 まず、高校オケに入って最初に吹いた楽器は学校が所有していた 怪しげな中国製。一応、何とか.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2018-05-22 21:10