ベルリン・フィル管楽器ソロ奏者の定着度合

今回のソロ・ホルン奏者募集に関連して、1960年頃以降のベルリン・フィルの木管/ホルン各ソロ奏者の変遷について考えてみた。なお、今回は具体的な資料を調べておらず記憶のみに頼っているので正確さには欠けるかも知れない。
●フルート
・デムラー:首席から2ndに降り、定年(近く)まで在籍。
・ツェラー:一時退団し音大教授となるが、カラヤンの要請により復帰、その後定年まで首席。
・ブラウ:20歳で入団→現在まで首席の座を維持。
・ゴールウェイ:1969年に入団、6年後に退団しソリストに。
・パユ:1993年に入団、その後一時退団し音大教授となるが復帰、現在に至る。
●オーボエ
・シュタインス:定年まで首席として在籍。
・コッホ:56歳まで首席を務め退団(その後ザルツブルク・モーツァルテウム音楽院教授)。
・シェレンベルガー:定年前に退団→ソリスト、指揮者に転進。
●クラリネット
・ビュルクナー:首席から2ndに降りて定年まで在籍。
・シュテール:首席から2ndに降りて定年まで在籍。
・ライスター:定年まで首席として在籍。
・ローデンホイザー:首席就任後数年で退団、バイエルン放送響首席、音大教授に。
・マイヤー:試用期間後退団、ソリストに。
・ブラントホファー:首席就任後数年で退団。
・シュテフェンス:バイエルン放送響から移籍後、数年で退団、ソリスト、指揮者に。
●ファゴット
・ピースク:定年まで首席として在籍。
・ブラウン:首席を降り2ndを短期間務めた後、定年で退団。
●ホルン
・ケップ:首席から下吹きに降り、定年(近く)まで在籍。
・ザイフェルト:定年直前まで首席として在籍。
・マスクニティ:試用期間後退団、ベルリン・ドイツ交響楽団へ移籍。
・ハウプトマン:首席から下吹きに降り、定年まで在籍。

こうしてみてくると、オーボエ、ファゴット:ダブルリード属の定着率は大変高く、シェレンベルガーを別にすればそれぞれプレーヤーとして任期を全うしていることがわかる。やはりオーボエ、ファゴットはオーケストラあっての楽器なのだとあらためて思う。
これに対し、フルートやクラリネットは花形プレーヤーが多いためソリストに転じたり出入りが激しい。また、ベルリン・フィルにおけるクラリネットは、「ドイツ式」の前提があるために奏者が限られているという事情もあると思うが、特に定着率が低いのはまた別の問題があるようにも思える。
いずれにしても、(本人の希望のみで退団する場合は別として)ソリストの地位を継続していくためには、卓越した音楽性と技術を持っていることはもちろん、セクションとしてのまとまり(特にホルン・パート)が達成でき、音楽的/社会的にもパート内、指揮者と継続的に上手くやっていけること等がその前提として必要となるのだろう。

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この記事へのコメント

ろーたこっほ
2017年11月10日 14:39
コッホは1935年生まれで1991年には56歳でBPOを退団していますので、主席を定年まで務めたのではないように思います。1995年の夏(コッホ60歳)、モーツァルテウムでのサマーコースの講師を務めていたコッホを訪問しましたが、既に付添人なしでは階段を昇降できないほどに足を痛めていました。体力的に、定年を待たずに退団せざるを得なかったというのが真相のように思います。
2017年11月10日 18:32
ろーたーこっほさま
コメントありがとうございます。
ご指摘ありがとうございます。私の勘違いで申し訳ありませんでした。早速修正させていただきます。

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  • 音大教授/ソリスト/コンマス・首席他

    Excerpt: ベルリン・フィルを途中/定年前に退団する人は、大きく3つのタイプに分けられる。 ①音大教授職へ転身:ブランディス、クスマウル、ブラッハー、グロートほか ②ソリストとして独立:ゴールウェイ、バボラク.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2017-10-28 22:21