「廃墟」か「廃虚」か

先日、11月に予定されている演奏会のチラシの原稿を見ていて、曲目表記中「アテネの廃墟」の「墟」の字が「虚」になっていたので、これは誤植ではないかと注文をつけて修正してもらった。
ところが、今朝のY新聞にノーベル化学賞を受賞した下村さんの記事で、「被爆の廃 長崎が出発点」という見出しが出ており驚いた。
念のため、広辞苑第六版(岩波)、大辞林第三版(三省堂)、大辞泉第一刷(小学館)の各辞書を調べてみたが、廃墟の墟はすべて「墟」となっていた。他にも、類語大辞典第4刷(講談社)、新選国語辞典第七版(小学館)、岩波国語辞典などもすべて「墟」。
例外は、新明解国語辞典第五版(三省堂)。「廃墟」が正書だが、「廃虚」は、語義とは無関係の代用字、というコメントが付記されていた。他に、現代国語辞典第ニ版(新潮)にも、「虚」は代用と明記されていた。ただ、国語辞典第五版(三省堂)だけは、何の断りもなく、「廃虚、廃墟」と並列に表記されていた。
さらに、リーダース、ジーニアス、ランダムハウスなどの英和辞典で<ruin>を調べてみたが、どれも「廃墟」に統一されており、「虚」の字はまったく出てこない。
結局のところ、「墟」の字は常用漢字1945字に含まれていないため、「虚」の字を当て字で使用したということらしい。常用漢字でない場合、平仮名にする、例えば「急遽」ではなく「急きょ」というケースはあるが、「廃きょ」ではサマにならない・・。
当て字の例は、「義捐」→「義援」とか「綺麗」→「奇麗」のような例があるようだ。「義援」などは、だいぶ慣れて(?)きたのであまり違和感は感じなくなってきてはいるものの、個人的にやはり「廃虚」は許せない。各辞書の表記をみてもわかる通り、世間一般はまだまだ「廃墟」が主流だと思う。

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