ワーグナー:歌劇「ローエングリン」第三幕への前奏曲

来月の演奏会のアンコールとしてこの曲を演奏することになった。
私自身、この曲をステージで演奏するのは初めてとなる。が、練習で演奏したことはある。
もう30年くらい前、NHKのゴールデンタイム(8時からだったか)に「徹子のおしゃべり音楽会」という番組を放送していた。そこにジュネス・ミュジカル・シンフォニー・オーケストラという、青少年音楽日本連合という組織が主催する管弦楽団(東京の各大学オケの選抜メンバーによる)が出演することになった。
私は既に卒業してサラリーマンになっていたのだが、たまたまファゴットが足りなかったのか、それにエキストラとして呼ばれ参加させてもらった。指揮者は尾高忠明さんで、その初回の練習(1~2回しか練習はなかったと思う)のこと。
何の曲をやるか決まっておらず、いろいろな楽譜が用意されていたのだが、最初にやったのがこの曲。一回通し終わったところで、「こりゃダメだ。」ということで没になり、次にやったのが「カルメン」前奏曲。「ローエングリン」よりははるかに安定した響きとなり採用された。他に何の曲をやったのか全く覚えていないのだが、「ローエングリン」は私にとってその時一回限りの中途半端な経験として残されていた。
あらためてこの曲のスコアを見てみたのだが、まず序奏の三連符が第一拍目であることに驚く。耳で聴いていると何となくこの三連符がアウフタクトに聴こえたりすることがあるのだが、まぎれもなく第一拍から始まる。いきなりト音記号で始まるヴィオラも凄い・・。ワーグナーとしては比較的単純なオーケストレーションではあるが、響きはワーグナー以外の何ものでもなく、華やかな婚礼の祝祭音楽となっている。
さて、ざっとタナを調べてみたのだが、下記の演奏くらいしかみつからなかった。
●クリュイタンス=パリ国立歌劇場O(1960/EMI FRANCE)
●カラヤン=ベルリン・フィル(1975・76・81/EMI)
カラヤンのこの曲は、単独では1949年のウィーン・フィルとの録音が残されているのみで、1960、1974年のベルリン・フィルとの序曲集の録音には第一幕への前奏曲のみしか収録されていなかったと記憶する。
これは、カラヤンとルネ・コロとの確執により5年以上の間があいて何とか全曲録音にこぎつけたといういわくつきのディスク。久しぶりに第三幕への前奏曲を聴いてみたが、他の演奏にはみられないカラヤンらしい厚い響き。当時のEMIのややぼってりした録音ではあるが、音のスピード感や暗めのオケの音色はさすがに往年のベルリン・フィルと思わせる。オーボエはシュタインスのような気がするがコッホかも知れない・・。
●テンシュテット=ベルリン・フィル(1982・83/EMI)
カラヤン盤に比べると軽めですっきりしたベルリン・フィルの響き。
●若杉弘=シュターツカペレ・ドレスデン(1984/SONY)
ドレスデンの柔らかな響きが美しい。
●ショルティ=ウィーン・フィル(1985・86/DECCA)
もっと古い時期の録音というイメージがあったが以上の中では最も新しいということに驚く。ウィーン・フィルは「指輪」の頃とは音色が変わりつつあるものの上手いことに変わりはない。

いずれにしてもこの曲は「婚礼の合唱」に続くものであり、フォルティッシモで終わってしまうというのも何とも残念な気もする。

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