ハイドン:協奏交響曲 変ロ長調Hob.I.105

協奏交響曲(symphonie concertante/sinfonia concertante)とは、合奏協奏曲に倣い複数の独奏楽器を持ち、カール・シュターミツなどマンハイム楽派の作曲家によって多く作曲されたジャンルで、ハイドン、モーツァルトの作品がその代表的なものとされている。
さて、このオーボエ、ファゴット、ヴァイオリン、チェロを独奏者とするハイドンのこの曲、作曲されたのは何と1792年、ハイドン60歳、モーツァルトの死後のことである。
LP時代には、未だ私はこの曲の存在すら知らず、レコードも持っていなかった。
初めて買ったCDが誰の演奏だったか、今となっては思い出せないが、その価値を決定的にしたのは昨年発売されたラトル=ベルリン・フィル盤(EMI)であったことは間違いない。
http://zauberfloete.at.webry.info/200708/article_18.html
現在、私の手元にあるディスクは下記の通り。
○ケルテス=バンベルク響(DENON/1960頃)
http://zauberfloete.at.webry.info/200805/article_7.html
○レーマイア、ヴェルバ、キュッヒル、バルトロメイ/バーンシュタイン=ウィーン・フィル(DG/1986)
○トゥレチェク、ヴェルバ、キュッヒル、ヘルツァー/フィッシャー=オーストロ・ハンガリアン・ハイドンO(Nimbus/1988)
○ホグウッド=バーゼル室内O(ARTE NOVA/2000)
○ケリー、シュヴァイゲルト、安永、ファウスト/ラトル=ベルリン・フィル(EMI/2007)

今回、NAXOSのハイドン交響曲全集vol.22をたまたま見つけたので購入した。
曲目は、ハイドン:交響曲第13番ニ長調、第36番変ホ長調、協奏交響曲変ロ長調/ヘルムート・ミュラー・ブルール指揮、ケルン室内管弦楽団による演奏、録音は1999年、ケルン。この全曲シリーズ、ワーズワース他による演奏は平板で生ぬるいものが多いが、ミュラー・ブルールによるものは注目すべき演奏がある。
まず、このディスクのコンセプト。
ホグウッド盤は、モーツァルト、ハイドン、マルティヌーの協奏交響曲を3曲並べたなかなか凝った構成だったが、このディスクは、独奏パートを持つシンフォニー2曲に協奏交響曲、という大変マニアックで筋の通った企画となっている。
交響曲第13番ニ長調は、普段まったく聴くことのできない曲だが、なかなか聴きやすい曲で、最大の特徴は第二楽章アダージョ・カンタービレ。独奏チェロがまるでコンチェルトのように朗々と、また延々とソロを弾く。そして終楽章ではあの「ジュピター」と同じテーマを元に対位法的な展開がされる。
そして、第36番変ホ長調では、その第二楽章アダージョでは、ヴァイオリンとチェロ二人のソリストが美しい対話を繰り広げていく。終楽章では、あの第67番を想起させるテーマも登場し興味は尽きない・・。
協奏交響曲のソリストはホンメル(Ob)、ケフェンヘルスター(Fg)、ラーデマッハー(Vn)、シェフリン(Vc)というあまり馴染みのない人たちだが、結構好演で、特にファゴットは優れていると思った。
オケの伴奏は古楽器的アプローチで、かなりメリハリのついた特徴的なもの。ラトルかBPOのティンパニ奏者がこの演奏を聴いていたのかどうかは知らないが、ティンパニのアドリブ的な叩き方を始め、両者のスタイルというかコンセプトは酷似している。その意味でなかなか聴き応えがあり面白い演奏だった。
さて、余談になるが、ずっと私が探し続けているのが、この曲のオーボエをローター・コッホが吹いたディスク。
Bohdan Warchal=Slowakische Philhamonieによる演奏、というところまで分かっており、廉価盤で発売されていたこともあるらしいのだが、現在は入手不能となっている。そういえば、ずいぶん以前に通販でこのCDをオーダーしたのだが、半年以上経っても何の音沙汰もない。

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この記事へのコメント

M.S.
2008年06月02日 23:30
コッホの演奏はamazon.com経由で購入できるようです。私の持っているのとは違うCDのようですが、ASIN: B00004T0LHというのです。在庫もあるようですし海外発送もしてくれるようなので手に入ると思います。すごい値段がついてますけどね。
2008年06月11日 22:30
M.S.さま
コメントありがとうございました。見てみましたが、すごい価格で驚きました。さすがにちょっと躊躇してしまいます。

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