モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番ヘ長調K459

「春に聴くのにふさわしいモーツァルトのピアノ協奏曲はどの曲だろう?」と考えてみた。
まず浮かんだのは第18番変ロ長調K456。が、憂愁に包まれた第二楽章や、終楽章の明るい中の翳りはむしろ秋の空にふさわしいようにも思える。
次の候補は第15番変ロ長調K450。この曲は確かに穏やかな暖かい春の雰囲気を持っており、冬の終わり、春の訪れがわずかに感じられる季節に聴くと良いのかも知れない。
そして、第19番ヘ長調K459、この曲こそ「春爛漫」というイメージを持っている。
1784年、モーツァルト28歳、幸福と充実の時期であったこの年の末に完成されたこの曲は、堂々たる構成を持ち、伸びやかで晴れやかな雰囲気に包まれている。行進曲風のリズムを持ったメロディで開始される第一楽章冒頭、ヘ長調特有の柔らかい世界が拡がる。
http://zauberfloete.at.webry.info/200706/article_14.html
私がこの曲を知ったのは、もう40年くらい前のポリーニ/ベーム=ウィーン・フィルによる演奏(1976/DG)だった。ポリーニの硬質なタッチと、ウィーン・フィルの柔らかい音色が見事にとけ合った完璧なバランスで、現在でもこの曲のベストと言える演奏と思う。
その後、ピリス、ハスキル、シュミット、アシュケナージ、バレンボイム新旧、ラローチャ、ツァハリアス、シフ、内田光子、フェルナーなどのディスクを聴いてきたが、私にとって最も回数多く聴いてきた演奏は、ペライア=イギリス室内管弦楽団(1984/CBS)。オケの音色は私好みではないものの、ペライアのピアノがとにかく美しい。特に第一楽章冒頭のピアノが奏でる主題のFの音。この出だしのピアノを聴きたいがためにこの演奏に手が伸びてしまう・・。不思議な魅力を持った演奏である。

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