聴き始め

今年になって初めてメイン・システムを聴いた。
家のスピーカーの間隔は約1.6m。いつも聴く場所はスピーカー間とだいたい同じ距離なので、ちょうど正三角形の頂点で聴いていることになる。今回はいつもより椅子を後ろに下げてスピーカーから約2.5mの位置で聴いてみた。スピーカーはあまり内側に振っていないので、これくらい下がるとちょうどトウィータの向きが耳と一致する。
試聴してみると、わずかな距離の違いでもホールでいうとやや後方の席に座った感じになるのが面白い。昼間だったので音量も上げられたのでなかなか良い音で聴くことができた。
最初に聴いたのは、月並みながらモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」。ベーム=ウィーン・フィルによる1974年ウィーン・ムジークフェラインザール大ホールでの録音(DG)。この曲は家に何枚CDがあるか分からないが(少なくともカラヤン3種類など10枚以上はあると思うが検索不能)、この演奏が最もよく聴く一枚。その訳は最も再生が難しいディスクであるということ。地味な音色で拡がりに乏しく弦楽器の音が硬い。ヘンな装置で聴いたらどうしようもない音で鳴る。古い装置の頃はなかなか思い通りに鳴らなかった、と言うかこのような録音なのだと思っていた。
最初に聴くにはやはりウォーミング・アップ不足。しばらくワーグナーなど他のディスクをかけコンディションを整えた後、もう一度トライ。今度はまあまあの音で鳴る。ここでのポイントは弦楽合奏の質感で、いかにしなやかに、爽やかに、伸びやかに響くかという点。
ふと思い立って、同じ演奏の異なるマスタリングのディスクの聴き比べを行ってみることにした。
私が持っているDeutsche Grammophonのディスクは下記の通り、なお、カップリングはすべてベーム=ベルリン・フィルによる「ポストホルン・セレナーデ」。②のみ「セレナータ・ノットゥルナ」も入っている。
①415 843-2 GALLERIAシリーズ(Digitally Remastered:エルテのジャケット)
②453 076-2 ORIGINAL-IMAGE BIT-PROCESSING(プレゼンスとブリリアンスを付加とのコメントあり)によるリマスター盤で「ハフナー・セレナーデ」との2枚セット(ホーエンザルツブルク城の夜景のジャケット)
③457 923-2 eloquenceシリーズ(アンビエント・リマスターといわれる:湖上に浮かぶ満月のジャケット)
比較試聴結果は下記の通り。
①最も小編成に聴こえる。音像は小さめ、とはいえ弦の音色は適度に艶やかで心地よい響き。
②コメントの通り(?)弦楽器の高音域の倍音が華やかに聴こえる。豊かなというか豊麗な響き。
③低弦の量感が増し、音場も広がった感じだがレンジは逆に狭まったようにも聴こえる。ラウドネスをかけたような響き。
ということで予想以上に違いがあった。個人的にはやはり①がいつも聴いているせいか最も自然に聴こえ好ましかった。試しにもう一度、今度はTurnberryのネットを外して①を聴いてみた。視覚上の効果か、やや木の響きが増し、音の伸びが良くなった気もしたがごくわずかな変化・・。むしろパワーアンプが温まってきたせいかも知れない。
参考)私が使っているシステムは下記の通り。
○コントロールアンプ:Accuphase C‐260(一度接点不良になり修理。その後は快調。)
○パワーアンプ:LUXMAN M‐06α(煙を吹いたことがあり修理。A 級動作のため放熱は半端ではなく夏には不向き、一応の音になるまで時間がかかる。)
○CDプレーヤー:ESOTERIC X‐30(最後のCD専用機種、購入直後から不調で一度は交換、その後何回か調整してもらい最近やっと安定してきた。名器だが大変神経質。)
○スピーカー:TANNOY Turnberry(スピーカーとしては6代目、TANNOYとしてはStirlingからの2代目。B&Wなどへの浮気も何度も考えたが結局これが私にとっての最後のスピーカーになるような気がしている。)

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