カラヤン=ベルリン・フィル/「皇帝円舞曲」

カラヤンは公式にはベルリン・フィルと4回(SP時代/1966 DG/1975 EMI/1980 DG)、ウィーン・フィルと3回(1946 EMI/1968 DG/1987 DG)、フィルハーモニア管弦楽団と1回(1955 EMI)、それぞれこの曲の録音を残している。私はフィルハーモニアOとの演奏以外すべて持っているが、1980年に録音されたベルリン・フィルとの演奏が決定盤と考えている。
ドイツ・グラモフォンにとってデジタル録音最初期の録音(会場はベルリン・フィルハーモニー)で、全体に音は硬めで、高弦にもう少ししなやかさがあればといつも思うが演奏としては飛び抜けて優れている。おそらく編集していない一回録りなのではと思わせる(以下実況)。
●序奏
ひっそりと始まる弦の前奏にのってクラとファゴットが登場、軽やかなスネアの音が心地よい。
2本のホルンを中心としたワルツの断片から徐々にクレッシェンドしていくが、途中(0’50”)あたりで一瞬、オケの中央やや左手から何かモノを落としたような小さなノイズが入る。そしてトゥッティでのフォルテ。カラヤンの発する声も聞こえ、かなり気合が入っていることがうかがわれる。ひとしきりおさまったところでのオーボエのピアニッシモのHの伸ばし。この硬めの音はコッホに間違いない。
ヴァイオリンとハープのアルペジオに導かれてチェロのソロの登場。フレーズの最後のD E Fは左指を替えずにグリスランドっぽく弾いている。ボルヴィツキだろうか・・。
●ワルツⅠ
最初の小節にすごいルバートをかけるがその後のテンポ感は素晴らしい。トゥッティでのフォルテ、第一拍目のティンパニのCが一瞬先に入るバランスは見事。ここでの第1ヴァイオリンの音がしなやかさに欠けるのが何とも残念。その後ピアニッシモに落としたメロディが再びフォルティッシモで奏されるコントラストは素晴らしい。
●ワルツⅡ
ここから変イ長調になるが、ここでのホルン4本による和音の伸ばし(メゾフォルテピアノ)が大変強調されており印象に残る。1stとチェロによるメロディの歌い方の優雅なこと。
●ワルツⅢ
冒頭、右手奥から聴こえてくるトランペットのC・C As C Esの音色の輝かしさ。
続くワルツに入る前のヴァイオリン他による連続するGの音符のテヌートのかけ方、歌い方はカラヤンならでは。
1stとチェロのメロディ、特に2回目のフォルテに続く数小節のホルンの後打ちがフォルティッシモで聴こえてくる。これが何とも言えず爽快(カラヤンの指示か?)。
続くトランペット2本と1stトロンボーンによるマルカートで奏される有名なワルツ。途中のDの音程が気になる(この演奏という意味でなく他の演奏でもいつも)のは私だけだろうか?
●ワルツⅣ
ダブルバーをまたぐF八分音符、八分休符、G付点四分音符、F八分音符/E八分音符、八分休符、C八分音符、八分休符、D八分音符、八分休符~のフレーズは単調な繰り返しになりがちだが、ここでのカラヤンの表情のつけ方は絶妙。ワルツのテンポに戻した後のテンポの揺らし方も素晴らしい。
●コーダ
淡々と進んでいた音楽が、ヴァイオリンがクレッシェンドからフォルテで歌う箇所で熱くなる。そして、またワルツⅠへの回帰。最初の時との微妙なニュアンスの違い。転調した余韻がファゴットのHの伸ばしで引き継がれる。ここのファゴットはずいぶん控えめ。
ハ長調だったワルツがここではト長調で現れ、トランペットのGの輝かしいスタッカートに導かれ最後の大団円。
ピウ・メノに入り、スビト・ピアノでホルン2本が残る演出の仕方は典型的なカラヤン・スタイル(まったく間をあけずに音量を落とした次の楽器に受け渡す)。チェロのソロとホルンによる美しいデュオ、フルートのエコーも美しい(ブラウだろうか?)。
クレッシェンド、フォルテ、フォルティッシモと盛り上がり、ティンパニの細かく粒の揃ったトリルが響く中、トゥッティのCの長いフェルマータが舞曲の終わりを告げる。

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