ヒュー・ウルフ/ハイドン交響曲第88~92・96・97番

ヒュー・ウルフ=フランクフルト放送交響楽団によるハイドン交響曲集。
ウルフはTeldec時代にセント・ポール室内Oとハイドンのパリ・セットの何曲かを録音しており、大変な名演だった。
http://zauberfloete.at.webry.info/200707/article_3.html
1997年、フランクフルト放送響のチーフ・コンダクターに就任して以来、Hessischer Rundfunk(ヘッセン放送)からディスクをリリースしている。なお、フランクフルト放送響、2005年からは、hr-Sinfonieorchester(hr交響楽団)と呼ばれているらしい。
さて、このハイドンの交響曲集、実際には3枚のディスクから構成される。
○ハイドン:交響曲第88・89・91番
○ハイドン:交響曲第92・96・97番
○ハイドン:交響曲第90番/ショスタコヴィチ:交響曲第9番
特に、ショスタコヴィチの9番とハイドン90番のカップリングというのは異色ではあるが、解説によれば、それらのユーモア、ウイット、アイロニーという意味での共通性があるという。聴いてみると、ハイドンの90番はもちろん、ショスタコヴィチの9番も一種のプロテストにも聴こえるユーモアが感じられる。
さて、ハイドンの交響曲、全編を通じてチェンバロを加え、トランペットは古楽器、ティンパニも極端に硬いバチ(楽器も小型の古いタイプだと思う)でかなり刺激的なアクセント、という味付け。それでもブリュッヘン、ヴァイルらとは一味違うアプローチで、個人的にはひじょうに好みの演奏。最近リリースされたラトル=ベルリン・フィルの演奏にかなり近いコンセプトと言える。ラトルとの違いはやはりチェンバロが入っていることで、全体がやや古風な音色になっている。とはいえ解釈は間違いなく現代的。そのあたりのアンバランスが魅力なのかもしれない。
ウルフの演奏でこれまで最も印象的だったのは、第85番「王妃」第二楽章中間部におけるフルートのオブリガートに加えられた華麗な装飾だったが、89・90・91番などでも管楽器によるアドリブが随所に聴かれる。特筆すべきは第96番第三楽章トリオでのオーボエの装飾で、私も何種類もの「奇跡」を聴いてきたがこのような演奏は初めて体験する貴重なものだった。
以前、ウィーン・フィルのシュミードル氏がモーツァルトの39番で洒落た装飾を加えているのを聴いたことがあるのだが、ハイドン、モーツァルト時代の作品であっても多少のアドリブというか装飾を加えるのも許されるのだろう。もちろん、センスが良いということが前提になるのだが・・。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック