カラヤン=ベルリン・フィル/「オベロン」序曲

来年の演奏会に向けてこの曲の練習が続いているのだが、この曲に関しては本当にカラヤン=ベルリン・フィルの演奏が身体に染み着いてるせいか、自分で演奏していてももどかしさを感じることが多い。
カラヤン指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏、録音は1971年、ベルリン・イエスキリスト教会。レーベルはドイツ・グラモフォン、LPでは「ウェーバー序曲集」として発売されたが、CD化の際に「舞踏への勧誘」も加えられた。
冒頭のホルン・ソロはいたってさりげなく始まる。安定した音色はおそらくザイフェルトだろう。それに答える弱音器つきの弦楽器群の優美な響き。6小節目、天使が舞い降りるかのような木管の囁き。ゴールウェイのフルートが素晴らしい。10小節目のトランペット、ホルン、ファゴットによるファンファーレ(?)を支えるティンパニの硬いD音(音楽之友社のスコアにはこのティンパニがなぜか抜けている)。この音は間違いなくフォーグラーと思う。続くヴァイオリン群の美しさ。特に15小節目のリズムは音符と音符の間には休符がなく、決して隙間が空いてはならない。
A属七のフォルティッシモが鳴らされ、ヴァイオリンを中心とした弦楽器群のたたみかけるようなパッセージ。ひとしきり山を越えたところで現れるクラリネットの美しいメロディ。中音域の柔らかさ、濃い歌い方から、吹いているのはヘルベルト・シュテールではないかと想像される。それを受け継ぐヴァイオリンのとびきりしなやかなこと。
101小節からのファゴットとホルンによる四分音符が続く音型、ファゴットとホルンの下のティンパニのA音が効果的で、完璧なバランスを形成している。その伴奏に乗って歌うヴァイオリンの軽妙さ。フォルティッシモのトゥッティを経て141小節に現れるオーボエ、上のCやDの音の抜けが心地よい。その後一瞬Fis‐Durのメロディが奏でられるがそれもつかの間、フルートがD‐Durで朗々と歌う。ゴールウェイの演奏はまさに天の声のよう・・。
そして、183小節目からのオケのトゥッティによるフォルティッシモ、伴奏の<八分音符+2つの十六分音符+八分音符+八分休符>という音型、カラヤンは均等にタンタタタンとやるのではなく、最初の八分音符を切り詰めて八分休符を長めにとり、タ(ン)タタタ、タ‐タタタと演奏している。つまり、2拍ずつ完結していくやり方ではなく、全体を大きな流れととらえ、終わりに向けてなだれ込んでいくというアプローチを採っている。曲を締めくくる大きなルバートも効果的で、これ以上優れたこの曲の演出方法はないと思わせる十分な説得力を残して演奏は終わる。
http://zauberfloete.at.webry.info/200711/article_26.html

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