管楽器おもしろ雑学事典

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「知ってるようで知らない管楽器おもしろ雑学事典(ヤマハミュージックメディア/2007.11)」
ヤマハミュージックメディア社から、おもしろ雑学事典として、これまで、「吹奏楽」、「コンクール」、「指揮者」、「オーケストラ楽器」などのシリーズが出ていたが、今回、「管楽器」が登場した。
元々私はこの手の本には全く興味がないのだが、著者が佐伯茂樹氏とあっては買わない訳に行かない。佐伯氏は現在東京藝大講師、その著作「名曲の『常識』『非常識』オーケストラの中の管楽器考現学」(音楽之友社)は画期的な名著であると私は思っている。
さて、この本のターゲットだが、「これから楽器を始めようとする人」への解説ウエイトがかなり高い書き方がされている。既に楽器をやっている我々のような人間にとっては、余計なお世話と思われることがいろいろと書かれているのだが、あらためて読んでみるとなるほどと納得させられる点も少なくはなかった。
たとえば、各楽器の発音原理について書かれている箇所(以下抜粋)。
「金管楽器の場合、自分の肉体の一部である唇を発音体にしてるわけですから、きちんと訓練を積んで正しい吹き方をマスターすれば、歌を歌うのと同じように、出したい音を自分の意思で自由にコントロールすることが可能なわけです。そういう意味では、金管楽器で良い音を出したければ、木管楽器の発音原理をしっかりと勉強しておくといいでしょう。自分の唇がオーボエやクラリネットのリードに相当するということは、リードが効率良く鳴る仕組みと共通点があることは疑う余地がありません。よく、金管楽器で高い音を出そうとして唇に力を入れてしまっているのを目にしますが、リードと同じように締め付けてしまったら音は鳴りません。」ということで、このようなことは当たり前のようなことながら、実はなかなか気がついていないことでもある。
また、初心者向けとはいってもかなりマニアックなことも書かれており、そのような点に興味がある人(私もそうだが)にとっては参考になる話ばかりだった。そもそも自分でその楽器をやっていない人にとっては、フルートのインラインとオフセット、オーボエのセミオートとフルオート、ホルンのクルスペタイプとガイヤータイプ、バストロンボーンのシングルロータリーとダブルロータリーなど、どちらが良いかと言われてもどうでも良い話ではある。とはいえ、知っていても損ではないことでもあり、私にとってもこの本を読んで初めて分かったことは数多く、その意味で大変勉強になった。管楽器をやっている人にとっては「雑学」ではなく、「常識」として知っておくべきことなのかもしれない。

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