モーツァルト:ピアノ協奏曲第12番イ長調K414

モーツァルトのピアノ協奏曲の中でも、とりわけ愛着のある一曲。
イ長調というと第23番K488ばかりが有名だが、この曲も、もう一曲のイ長調としてもっと聴かれても良い曲だと思っている。
優しい微笑みがこぼれ落ちるようなアレグロ、深い祈りと安息に満たされたアンダンテ、どこまでも澄み切った秋の空のような、でもちょっと悲しいロンド/アレグレット。
K413~415の3曲について、モーツァルトは1782年暮れの父親に宛てた手紙の中で、「これらの協奏曲は、難しすぎるものと易しすぎるもののちょうど中間にあるもので、ひじょうに輝かしく、耳に快いものです。もちろん、内容のないほどに低落してはいません。そこここでは、なるほど識者だけが満足感を味わうことができるでしょうが、しかしそれは素人もまた、なぜそうかはわからぬままに満足するに違いないようなものなのです。」と述べている。

某先生門下のピアノ発表会で、この曲を私の所属しているオケが伴奏するというので聴きに行った(管はオーボエ&ホルンのみ)。ソリストは楽章別に小5/中3/中2の少年少女たち。
テクニックは皆素晴らしいものを持っており、私などあれだけ指が回ること自体感心してしまうが、逆にあそこまで弾けるのであれば、もっと自分の音楽が表現できるのではないか、などと思ってしまった・・。
私にとって、この曲との最初の出会いは、ミヒャエル・スチューダーのピアノ、ミュラー=ブルール指揮ケルン室内管弦楽団による演奏(Claves/1972)。モダンピアノに小編成オケの地味な演奏、一言で表現すればモノトーンで渋い演奏だが、スチューダーのピアノは大変優れており、特に第二楽章のカデンツァにおける音色・表現の多彩さは素晴らしい。
その後、ペライア、シュミット、アシュケナージ、バレンボイム、内田、ピリス、ブッフビンダー、ニコルソン、ルービンなど、さまざまな演奏を聴いてきたが、スチューダーの演奏を超えるものは未だに出会えないでいる。

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  • モーツァルト:10番台のピアノ協奏曲

    Excerpt: 先日、第20~27番のピアノ協奏曲をまとめて鑑賞したので、今回はそれ以前の作品を何回かに分けて聴いてみた。 http://zauberfloete.at.webry.info/201206/arti.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2012-06-21 23:06