ラトル=ベルリン・フィル/ハイドン交響曲集~その2~

最近、音楽を聴く機会があれば、必ずこのディスクを聴いている。
それだけインパクトがあり、面白いということだろうか・・。
このセットの2枚目は、交響曲第91・92番と協奏交響曲。91番というのは私にとってほとんど馴染みのなかった曲。今回あらためて聴いてみると、モーツァルトのK543を連想させる変ホ長調独特の世界、特に緩徐楽章、メヌエットのトリオで活躍するファゴットは素晴らしかった。
92番はプレヴィン=ウィーン・フィルの名演(PHILIPS)で聴きなれた曲。プレヴィンのディスクがあればもう他の演奏はいらないと思っていたが、ラトルはまた独自の魅力を引き出してみせる。優雅・典雅な響きではないが、なるほど、まだこのような演奏の仕方があるのかと妙に納得させられた。
さて、協奏交響曲、ソリストは、ケリー(Ob)、シュヴァイゲルト(Fg)、安永(Vn)、ファウスト(Vc)。安永はカラヤン時代に第一コンサート・マスターに就任しているが、協奏曲はもちろん、「英雄の生涯」、「ツァラトゥストラ」、「シェエラザード」などのコンマス・ソリストとしての録音は極めて少ない、というか私が知る限り、皆無ではないか。もちろん、演奏会ではマーラー第3、「ドン・ファン」などの素晴らしいソロは聴いたことがあるが・・。
安永のソロは、録音のせいかやや地味ながら美しい音色、確実なテクニックで大変素晴らしい。ジョナサン・ケリーも予想に反し(?)、なかなか見事な演奏を聴かせるが、やはり音色はベルリンの伝統とは一線を画している。最も感銘を受けたのは、シュヴァイゲルトのファゴット。やや暗めのクリアでまろやかな美しい音色、見事な歌い方はほれぼれするばかり。
伴奏オケは今回のセットと同じコンセプトで、いたって攻撃的(?)で斬新。特にティンパニの独演はさらにアクセントを加える。
いずれにしても、アプローチはやや過激ながらハイドンの音楽に新しい生命を吹き込んだという意味でこの演奏の持つ意味は大きいと言わざるを得ない。「ロンドン・セット」にいく前に、ぜひ次は「パリ・セット」を完成して欲しいと思う。

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