モーツァルトと調性~その④ト長調~

モーツァルトの作品を見渡したとき、ト長調という調は最もバランスのとれた完璧さ、という意味でとりわけ傑出した調であるという印象を受ける。
これ以上はないと思わせる完成度・純度の高さ、澄み切った秋の空を思わせる晴れやかさと伸びやかさ、反面、仄かに漂う憂愁・・。
アイネ・クライネ・ナハトムジーク、ポストホルンセレナーデの第3&4楽章、「魔笛」のパパゲーノ&パパゲーナのアリア、「フィガロ」の「花を撒け」の合唱、ヴァイオリン協奏曲第3番、フルート協奏曲第1番、交響曲第32番、ピアノ協奏曲第17番、弦楽四重奏曲K387、ピアノ・ソナタK283、ヴァイオリン・ソナタK301など、珠玉の作品が目白押し・・。さらに、「ハフナー」、「プラハ」交響曲の緩徐楽章、「ハフナー・セレナーデ」のアンダンテとロンド、K451のピアノ協奏曲のアンダンテも忘れ難い。そして、私が愛してやまないドイツ舞曲K605の第2曲、5つのコントルダンスK609の終曲(K610の異稿も存在する)。このようにモーツァルトの作品の中でも、特に私の好きな曲はそのほとんどがト長調である。
絶対的な音の高低という点からも、高すぎず低すぎず中庸を得た(個人的にはやや高めに聴こえることもある)ト長調だが、それだからこそ、適度な緊張感と高揚感、叙情性を併せ持つ理想的な調となるのだろう。
モーツァルトにとっても、上記の曲に加え、交響曲第25・40番のメヌエットのトリオ、ト短調の弦楽五重奏曲の終楽章などにみられるように、ト長調は「救い」であり「解放」、「飛翔」であったのかも知れない。



ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • モーツァルト:交響曲第32番ト長調K318

    Excerpt: 1779年4月26日(ザルツブルク)の日付を持つこの曲は、不運だったパリ旅行後にモーツァルトが作曲した最初の交響曲であり、何らかの舞台作品の序曲として書かれたのではないかと言われてきた。 ソナタ形式.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2011-01-24 00:14
  • モーツァルト:ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K216

    Excerpt: 1775年6月、モーツァルトはヴァイオリン協奏曲第2番ニ長調(K211)を作曲し、夏には管楽六重奏によるディヴェルティメント(ヘ長調/K213)、ヴァイオリン・ソロが加わったニ長調のセレナーデ(K20.. Weblog: Zauberfloete 通信 racked: 2011-12-29 21:32