武満徹:「他人の顔」より「ワルツ」

この前、別府アルゲリッチ音楽祭のアンコールで聴いた曲が忘れられず、武満徹作品集のCDを買ってきた。
http://zauberfloete.at.webry.info/200706/article_1.html
「日本作曲家選輯」の一枚(NAXOS)で収録曲は下記の通り。
○精霊の庭(Spirit Garden)(1994)
○ソリチュード・ソノール(Solitude Sonore)(1958)
○3つの映画音楽(Three Film Scores)(1994/95)
・「訓練と休憩の音楽」(「ホゼー・トレス」より)
・「葬送の音楽」(「黒い雨」より)
・「ワルツ」(「他人の顔」より)
○夢の時(Dreamtime)(1981)
○鳥は星型の庭に降りる(A Flock Descends into Pentagonal Garden)(1977)
演奏は、マリン・オールソップ指揮&ボーンマス交響楽団、録音は2005年。
ジャケットは村上華岳の「夜桜之図」を用い、なかなかセンス良くまとめられている。
また、輸入盤であるにもかかわらず、片山杜秀氏による詳細な解説がついている。
武満の曲は、いつもながら、ベルクやメシアンを連想させる繊細で優美、官能的、夢幻的、静謐なもので、作曲年代にかかわらず武満独特の世界を現出させる。
一方、武満は生涯で100本近い映画に音楽をつけた。「3つの映画音楽」は武満が手がけた映画から3本(いずれもモノクロ作品)のそれぞれ1曲づつを採り、1994年から翌年にかけて作曲者自ら弦楽合奏のためにアレンジし、組曲風にまとめたものである。
そして、「他人の顔」からの「ワルツ」。だれが聴いても一度で覚えられるような分かりやすいメロディ、これ以上はないと思われる「高雅で感傷的な」曲である。シベリウスのValse tristeをさらに洗練させたような都会的な曲なのだが、反面、脆く、それだけ甘美。2分くらいのきわめて短い曲なのだが、これほど印象的な曲も他にない。

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