Fantasia Italiana

クリストフ・ハルトマンと聞いて誰だかわかる方は相当の事情通である。
詳しいデータは持っていないが、(おそらく)1980年代後半頃から故ブルクハルト・ローデの後を受けてベルリン・フィルの2番奏者を務めているオーボエ奏者。
(*2007.6.20追記:1965年生まれ、1992年よりベルリン・フィルのメンバー)
ベルリン・カラヤン・アカデミー出身であることくらいしか私は知らないが、現在、アンドレアス・ヴィットマンと二人でベルリン・フィルの鉄壁の下吹きを務めている。ヴィットマンはベルリン・フィル木管五重奏団などでディスクは多いが、ハルトマンの録音はこれまでモーツァルトのハルモニームジークくらいしかなく、ソロとしてはこれが初録音となる。
シチリア、パレルモ生まれのパスクーリ(Antonio Pasculli:1842~1924)という作曲家による、オペラのメロディを素材にしたオーボエのための超絶技巧作品集、曲目は下記の通り。
○「シチリア島の夕べの祈り」の主題による大協奏曲
○「トロヴァトーレ」による協奏曲*
○歌劇「ポリウート」によるファンタジア
○「仮面舞踏会」によるファンタジア*
○「椿姫」の楽しい思い出*
○「リゴレット」の思い出*
以上アントニオ・パスクーリ作曲/*ヴォルフガング・レンツ編
伴奏は、Rudolf Piemayer指揮アウグスブルク・フィル(独EMI:バイエルン放送局との共同制作)、録音は2006年。なお、「仮面舞踏会」はイングリッシュ・ホルンによる演奏。
パスクーリは14歳で「オーボエの神童」としてイタリア、ドイツ、オーストリアを楽旅し、4年後にはパレルモ音楽院の教授に指名されるなどの名声を博し、「オーボエのパガニーニ」と呼ばれた天才オーボイストとのこと。超絶的な技巧を駆使したオペラのメロディーをテーマとした傑作が並ぶが、ハルトマン自身がパレルモで発見した自筆譜をもとにレンツの協力を得て完成させたという。
どの曲も、超絶技巧が求められる難曲ばかりだが、そのなめらかで粒の揃った、オーボエとは思えない素晴らしいテクニックには唖然とさせられる。それ以上に、緩やかな箇所で見事なヴィブラートをかけて朗々と歌われるメロディの美しさ・・。さらに、音色は決して軽くなることはなくあくまで暗くドイツ的であるところが凄い。残念ながら、私は「椿姫」以外のオペラはあまり馴染みがないのでメロディを聴いてもあまりピンとこないのだが、オペラ好きの方ならさらに楽しめるであろうことは疑いない。
それにしても、ジョナサン・ケリーは言うまでもなく、アルブレヒト・マイヤーと比べても、ハルトマンやヴィットマンの方が、コッホやシュタインスらの正統ドイツ的オーボエの音色、歌い方を継承していると思うのは私だけだろうか・・。

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