アーノンクール=ウィーン・フィル演奏会

モーツァルトの3大交響曲のコンサートを観た(NHK教育 芸術劇場)。
私はもともと保守的なので、共感できる部分は少なかったがユニークで刺激的な演奏だったことは事実。アーノンクールがインタビューでも話していたように、作品に「生命を吹き込む」といいう目的は十分達成されていたように思う。
まずは楽員の印象から。ヴェルバ氏もずいぶん歳をとったし、トゥルノフスキー氏はいやに痩せたようで心配(以上ファゴット・セクション)。オーボエの知らない人がヘルト氏らしく、ホルン会もリントナー氏が正式加入したようで、マイヤー氏も含め確実に若返っている。弦楽セクションでは、ヴェヒター氏やポッシュ氏はウィーン残留組だったのか顔が見えず寂しかった。
まず、39番。第一楽章序奏の異常な速さに驚かされるが、その後のテンポ、アゴーギクなどもクセのあるもの。即物的な第二楽章と必然性のないテンポの変化・・・。
メヌエット楽章、トリオだけは安心して(?)聴くことができた。シュミードル御大による絶品のソロ。
個人的に最も共感できたのは40番の第一楽章。ホルンの強奏も含め、あれほど「激しい」解釈もなかなかできないと思うが、主張が感じられたのも事実。第三楽章はもはやメヌエットではなく、ひたすら前進する音楽になっていた。終楽章は意外に遅くていねいだったが、リピートの後のG.P.にはさすがに驚かされた。
41番は、私にとって最もおとなしい演奏のように思えた。フレージングがべたついたり、木管のアーティキュレーションが疑問な箇所もあったが、概して想定内。とはいえ十分聴き応えのある演奏ではあった。
アーノンクールの演奏は、同じ楽譜を使っていても、従来我々の耳に馴染んだ、「流れるような美しい」モーツァルトでなかったことは事実であり、その意味で作品に新たな光をあてたことは間違いない。好き嫌い、共感できるかどうかは別にして、そのような演奏を聴けたこと自体は有意義であったと思う。

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