オーディオ装置

私は、演奏活動を中断していた間、ずっと聴き手に専念していたため、なるべく良い音で音楽を聴きたいという欲求が高まり、装置にはずいぶん凝っていた。
装置そのものを買い替えたり、置き方を変えたり、いろいろなアクセサリー(接続コード、インシュレーターetc.)を試したり・・。
スピーカーは、NS-451、SX‐3Ⅲ、LS3/5A、Stirling、と買い替え、そして今はTurnberryに。アンプもプリメインからセパレートになり、現在4世代目、CDプレーヤーも4世代目へと入っている。
よく、音楽は中身で装置は関係ない、という方も時々いらっしゃるが、私は絶対に、装置は良ければ良いに越したことはないと思っている。
実際、ラジカセで聴いた時、CDウォークマンで聴いた時、中級のミニ・スピーカーで聴いた時、そして、メイン・システムで聴いた時では同じソフトがこうも違う聴こえ方をするものか、と実感する。
結局、良いシステムになればなるほど、ソフトに入っている情報量がより多く引き出されるということだろうか。
たとえば、ドイツ・グラモフォン(DG)録音の、カール・ベーム指揮、ベルリン・フィルの演奏によるモーツァルトの「ポストホルン・セレナーデ」。これは私にとって永遠のレファレンス盤なのだが、70年代前半にレコードで購入した当時は、木管は引込みがち、弦楽器もしなやかさに欠け、オケ全体も生彩がなく、これはもう録音のせいとあきらめていた。が、システムをグレードアップするに比例して、どんどん音が良くなり、CD時代に入ってからもその傾向は続き、結局、今では私にとって理想的なバランスで鳴ってくれるソフトとなっている。
が、とは言っても、所詮、オーディオ装置は音楽を聴くための手段であり、極端に言えば単なる機械にすぎないのでは、という意見もあろう。しかし、オーディオには、装置を選択し、組合せ、アクセサリーなどを使ってそれらを調整して行けるという自由度も存在する。その意味で、オーディオには、ソフトに入っている音楽をいかに自分のイメージに近付くように鳴らすかという、演奏行為に似た面もあるのではないかと私は思っている。

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