有元利夫展

千代田区三番町というのは、東京の、ど真ん中にあるのだが、休日ともなると人通りはほとんどない。まして雨の日曜ともなると、地下鉄の半蔵門駅を出てからすれ違った人は2~3人。一回来たことはあるのだが、ちょっと場所がわからなくなり迷っていたところ、すぐ目の前が小川美術館(彌生ギャラリー)の入り口だった。
http://www.yayoigallery.com/index.html
中は、予想外の人の多さに驚く。こんな日にわざわざ出かけてくるのだから、やはり(私を含めた)根強いファン層がいるのだろう。
有元利夫は東京藝大美術学部デザイン科を卒業したあと、デザイナーとして電通に入社したが、画家・版画家・彫刻家としての道を歩むため数年で退社、創作活動に専念するが38歳の若さで夭折した。
イタリアのフレスコ画に影響を受け、日本の仏画との間に共通点を見出し、岩絵具を使用することによって独特の質感を持つ、一見して有元の作品とわかるアイデンティティを確立した。作品の多くは、顔より体の方が大きい独特なバランス・表情の女性の肖像画で、一回観たら忘れられない不思議なインパクトを持っている。クラシック好きの方ならDENONのAliareシリーズの一連のジャケットを覚えておられるだろう。
また、有元は音楽にも造詣が深く、自らリコーダーを演奏したり、作曲も手がけた。
さて、展覧会の方だが、人が少なくなかったワリにはひじょうにゆっくりと鑑賞でき、一年ぶりの再会となった。館内は有元自身が作曲した曲が静かに流れ、時間が止まったかのような静謐な空間。どの作品もこころが休まり、永遠の休息とはこのような感覚ではないかと思わせる雰囲気を与えるものばかりだった。

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